第六十一話 食べてもらってその二十八
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「阿波野君は」
「そう言われますとそうですね」
阿波野君自身否定しませんでした。
「僕は」
「本当にそうした癖性分はなおしてね」
「僕にとってよくないからですね」
「周りもどうかと思うから」
実際に私が今そう思っています。
「だからね」
「そうですよね」
「そうよ、というかそんなに嫌いな相手は嫌うのね」
「好きな人は徹底的に好きになって」
「極端なのね」
「嫌いな奴は自然と睨んで」
そうなってというのです。
「話しかけもしません」
「クラスでもなの?」
「無視します、あと怨みは忘れないです」
「執念深いとか言ってたわね」
「家族にもそれ言われます」
執念深いところもというのです、外見はあっさりした感じですがどうもその性格はかなり粘着質みたいです。
「しつこ過ぎるって」
「だったら余計によ」
「気をつけないといけないですか」
「その癖性分をね、若し私を嫌ったら」
その時のことも思いました。
「私にも徹底的に何かするでしょ」
「僕が先輩をですか?それはないですよ」
「わからないわよ、人を好きになることもね」
そしてです。
「嫌いになることもね」
「わからないですか」
「そうよ、というか阿波野君今私には普通でも」
この子のお話を聞いているとです。
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