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麗しのヴァンパイア
第三百五話

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                 第三百五話  姉の言葉 
 赤音は家に帰って姉に今自分達がしてみようとしている茶道のことを話した、すると彼女は妹に対して笑顔で言った。
「うん、私もそれでいいと思うわ」
「お茶菓子はお団子とかでいいのね」
「勿論ういろうでもね」
 こちらでもというのだ。
「いいのよ、そんな堅苦しくならなくてもね」
「いいのね、何かね」
「茶道って堅苦しいイメージあるわね」
「うん、どうしてもね」
「確かに礼儀作法は大事だけれど」
 姉は妹にこのことはと話した。
「それでもね」
「堅苦しくなくていいの」
「ええ、というか茶道って豊臣秀吉さんもしてたでしょ」
「黄金の茶室造ったのよね」
「あの人堅苦しいイメージないでしょ」
「全然ね」
 実際にとだ、赤音は答えた。
「そんな人じゃないわ」
「天下人になったし締めるところは締めていたと思うけれど」
 それでもというのだ。
「あの人もしてたし」
「堅苦しくしなくてもいいのね」
「別に偉い人をおもてなしするんじゃないわね」
「私達だけでやってみるの」
「じゃあ尚更ね」
「お茶菓子はそういうのでいいの」
「それで正座が苦しかったら」
 それならというのだ。
「これといってね」
「しなくてもいいの」
「折角楽しむのに正座で足が痺れて楽しむどころじゃなくなったらね」
「どうしようもないわね」
「だからね」
「別になのね」
「堅苦しくしなくてもね」
 それでもというのだ。
「いいのよ」
「そうなのね」
「私はそう思うわ」
「わかったわ、じゃあね」
「お姉ちゃんの意見として聞いてね」
「そうさせてもらうわね」
 赤音は姉に笑顔で答えた。
「これから」
「ええ、そういうことでね」
 姉は最後まで笑顔だった、そうしてだった。
 赤音はクラウンのメンバーにこのことを話すことにした、自分の姉の貴重な意見としてそうすることにした。


第三百五話   完


                  2020・10・11
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