第105話 難楼討伐 中編
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こちらの被害はそれなりのものになるでしょう。
「難楼達の中で私は降伏を認める気などなく、彼らの降伏と同時に虐殺を行うと思っているのか」
異民族を蛮族と一蹴する一般的な漢人官僚ならやりそうです。
この私も彼らにしてみれば同類と言うことです。
「ご明察です〜。そう思って違いないでしょう。ただし、私を無事に返したということは自棄になっていないと思うのですよ」
風はアメを舐めながら応えました。
「それに正宗様は失念されています。彼らに労役を課せば、彼らの家族は男手を失った状態で生きていかなければいけません。そうなれば、彼らにとって守るべき存在が危険に晒されるということです〜。ですが、彼らにそのことを望む資格はないですけどね」
風はしみじみと言いました。
「風、お前なら、この状態を如何に打開する」
「ふふ〜、この私の意見でよろしいのですか〜」
風は私を茶化すように言いました。
「構わない。だが、難楼達は非道を行った。無罪放免とはいかない」
「私も依存はありません。彼らが正宗様の要求を飲むにはあなた様が尤もらしい条件を突きつければいいのですよ〜」
「尤もらしい条件?」
私は要領が得ませんでした。
「正宗様、勝者が敗者に要求するものは何ですか〜?」
「戦利品か?」
「ええ、正宗様は彼らの集落より、美しい女を最低十人奴隷として差し出せば、この条件で許してやると仰ればいいのです。なかなか良い案じゃないですか〜。悪徳官僚が力にものを言わせ、過弱き女を手篭めにする訳です」
風は真剣な表情で語っていましたが、後半から少々戯けて言いました。
「そんな真似が出来るか! 私はそんな卑劣な真似はしない」
私は風の言葉に激昂しました。
「だから、善いのです。 圧倒的な力を持つ者が絶対的敗者に突きつける条件としては至極尤もなことです」
風は私の怒りなど気にせず自論を話しました。
「正宗様。この条件が付加されれば、あなた様の降伏条件に真実みが出ます。如何に慈悲を示そうと、当人が信じることができなければ意味はないと思うのです〜」
風はアメを舐めながら言った。
「今更、そんなことを言えぬだろう」
「そんなことはないのですよ〜。一度、降伏条件を拒否された後にこの話を持ち込めば、この話に真実みを持たせられるのですよ」
「私が色欲の強い男で、使者であるお前の報告を受け、難楼達の美女に興味を持ったという筋書きか? だが、それなら躊躇わず、総攻撃をすればいいだろう」
「それでは美女を捕獲できるとは限らないではないです。乱戦となればどうなるかわからない。それに、正宗様に献上する女は奴隷とはいえ、寵愛を受けること叶えば、自分達の身の安全にもなると考
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