110 さらなる激動へ
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。そうだ、この私が坊やをこんな嫌な所から解放させてあげましょう」
「で、できるんですか?」
「ええ、坊やの願いを叶えてあげるわ。まずは私が楽しい所に連れて行ってあげるわね。もう、ここには戻る事はないわ。いいかしら?」
藤木は一瞬葛藤した。このまま戻らなくて親が心配しないか。友達の永沢とかが心配しないか・・・。
「あ、でも・・・」
「迷っているのね。でも、皆も坊やの事をよく思っていないんじゃないかしら?卑怯者だって。それに好きな女子からも疎まれて。私は絶対に坊やをそんな可哀想な事はさせない。坊やに相応しい嫁も用意するわ」
「え・・・」
藤木はその女性に言われて思う。このままいてもどんなケースでも卑怯と罵られるし、好きだった女子・笹山かず子がそんな卑怯な自分にまた振り向いてくれるはずもない。藤木の迷いは消えた。
「はい、お願いします。でも、行く前にちょっと待っててください」
「ええ、いいわよ。坊やの準備ができたらいつでも連れて行くわ」
「はい!」
藤木はまず自宅に戻る。そして手紙を書き始める。そして封筒にしまい、家を出る。
(父さん、母さん、ごめんよ・・・。でも、ここにいても僕の卑怯は治らないんだ・・・)
そして藤木は自分が書いた手紙を持って走り出す。そこは「かつて好きだった」女子の家の前だった。
(笹山さん、もう僕にとって君は遠い過去の人なんだ。もう、君を忘れるように努力するよ・・・)
藤木はその手紙を笹山家のポストに入れた。そしてあの女性が待っている所へ戻った。
奏子は帰宅途中、走って通り過ぎる少年を見つけた。
(あれは確か、藤木君・・・?)
呼び止める暇もなく、その少年は走り去ってしまった。
「それじゃ、行きましょう」
「うん」
藤木は女性に連れられる。連れて行かれた場所は清水港だった。その港の海で大きい穴が現れた。二人はその穴に飛び込んで消えた。
レバノンの赤軍本部に戻って来た構成員達が集う。
「結局、どれも纏めて貰おうという計画は失敗しましたね。どうしましょう」
「そもそも、それらを守る為に別の異世界の道具が沢山送られているし、そいつらの援護が厄介ね。援護する者も消さないといけないけど、何らかの異能の能力も迷惑ね・・・。義昭、機械の更なる量産をお願い」
「了解」
その時、異世界からの声が聞こえる。
「重信房子、聞こえるか?」
「は、はい・・・」
房子は答える。自分がレーニン様と呼ぶ、男の声だった。
「今。我が世界の者が静岡の清水から一人の男児を連行し、我が世界の元に預けてあると聞いた」
「どんな者なのですか?嘗て修に連れてくるように頼んだ長山治のような賢くて頼りになる男子ですか?」
「いいや、気が小さき少年だ。唇は常に紫色のな」
「そ
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