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おっちょこちょいのかよちゃん
109 日本赤軍の長
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 藤木茂にとってこのクリスマスは最悪だった。笹山に嫌われてしまい、更には合唱コンクールではその笹山の独唱に聞き惚れて歌い遅れて皆から責められるなど散々なクリスマスである。
(もう嫌だ、笹山さんから嫌われて、皆から卑怯だって言われて・・・)
 そして藤木は意味もなく外に出た。

 かよ子達の前に現れたのは日本赤軍の長・重信房子だった。
「貴女が!?」
 かよ子はその赤軍のリーダーの女性を見て怒りが込み上がった。自分達から元の日常を奪った女が憎い。
「名古屋で護符を貰うつもりだったけど、杖の持ち主も来てくれたのね。丁度いいわ。その杖と護符を私にくれるかしら?」
「言われて渡す程馬鹿じゃないわ!」
 さりが反論する。かよ子も続く。
「わ、私だって、いくらおっちょこちょいでもこれだけは渡せないよ!」
「まあ、言ったって渡す訳ないでしょうね。戦って貰うわよ」
 皆は房子に牙を向く。房子はある物を出す。
「これを使うわ」
「そ、それは、もしかして!!」
 長山は思い出すように房子の持つ剣を見る。
「長山君、知ってるの!?」
「これは恐らく三穂津姫が言ってた広島で奪われた異世界の剣だ!」
「異世界の剣!あれが・・・!!」
 三河口も怪しむ。
(って事は広島で鯉沢輝愛(こいざわきあら)が夏に感じ取った火事による胸騒ぎってのはこの剣が奪われた事だったのか・・・!!)
「行くわよ」
「お主に使えるのか!?その剣は選ばれし者にしか使えんはずだ!!」
 石松も抗議した。
「そう思ったでしょ?でもこの剣を『あの世界』の人に渡したら私達に使えるようにしてくれたのよ」
「『あの世界』・・・まさか!」
「間違いない!」
 かよ子は石松とシャクシャインとの会話で気付いた。
「『あの世界』って・・・。戦争を正義とする世界の事だね!」
「そうよ。もうお喋りはおしまいにさせてもらうわ!」
 房子は剣を振りかざす。皆は今まで感じた事のない強風がかよ子達を襲う。
「す、すげえ強い風だ!嵐とか台風のレベルじゃねえぞ!」
「こんな能力(ちから)があの剣にあったのか!?」
「くそお!全員能力発動だ!」
 三河口やかよ子、奏子達防御の武装の能力(ちから)を持つ者達が能力行使する。房子の暴風を防いだ。さりの護符が光り出す。そしてかよ子は杖を房子の剣に向ける。さりは急に飛行し、さらに新幹線かそれ以上の速度を出して房子に飛び込んだ。
「自爆特攻かしら?」
 房子は剣をさりに向ける。だが、さりの方が早かった。さりが体当たりをかました。房子はヘリコプターの中に押し戻され、向かいのヘリコプターの壁にぶつかった。
「ああ!!」
 そしてさりは高速でかよ子達の元へ戻った。そしてかよ子はその強風に杖を向け、風を操る能力を得た。
「これでやっつける!」
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