第一章
[2]次話
猫も太り過ぎは
宮沢友希は茶色の髪の毛を肩の高さで切っていてそうしてセットしてまとめている、やや面長で顎の先が尖っていて眉は奇麗なカーブを描いている。背は一六五程で職業はOLである。
その彼女のいるマンションの同じ階に高校で同級生で二年の時はクラスメイトでもあった竹下佐紀旧姓渡辺の彼女もいた、こちらは黒髪を短く切ってそのうえでお洒落にセットしていて切れ長の木の強そうな目に高い鼻と整った眉を持っている。背は一六三位で胸は友希より大きい。仕事はかつては塾講師で今は結婚した夫の会社の経営を手伝っている。
二人は大学は別だったが友希がこのマンションに入った時に再開した、高校時代は取り立てて仲がいい訳ではなかったが再開してからはそれなりに付き合いが出来た。
特にそれぞれが買っている猫のことで話題になった、友希はどんたくという三毛猫の雌を飼っている。この名前は自分の住んでいるところが福岡だからだ。友希も佐紀も高校まで久留米だったが今は福岡で働いて暮らしているのだ。
それでどんたくという名前だったが佐紀はいつも友希の家に遊びに来てその猫を見てこう言った。
「女の子でどんたくはね」
「ないっていうのね」
「ちょっとセンスないでしょ」
こう友希に言うのだった。
「やっぱり」
「けれど福岡で里親で貰った時から太っていたから」
それでとだ、友希は佐紀に答えた。
「だからね」
「どんたくなのね」
「外見もあってね」
「そうなのね、けれどやっぱり女の子の名前としては」
佐紀はそれでもという感じで言った。
「どうしてもね」
「どんたくはないっていうのね」
「そうよ」
「そう言うけれど佐紀の猫の名前も」
友希は友希で彼女の飼っている可愛がっている猫のことを話した。
「ドル箱なんてね」
「いや、お金に縁がある様にって」
「それでなの」
「その名前にしたのよ」
佐紀は友希に笑って返した。
「うちの人会社やってるでしょ」
「ええ、福岡じゃ知らない人のいないね」
「建設会社やってるから」
それでというのだ。
「だからお金に縁がある様にって」
「あの子の名前ドル箱にしたのね」
「そうなのよ」
「成程ね」
「それで最近物凄く元気でね」
佐紀は自分の愛猫のことをさらに話した。
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