第三章
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地味な性格はそのままでソウセキに卒業してから今度は召喚士も入ることが出来る術を使える者達の大学に入ったがそこでも目立たなかった。
それでだ、ソウセキにこう言われた。
「もっと派手に目立ってである」
「人気者になれっていうのかな」
「そうである」
まさにというのだ。
「そうなるである」
「そう言うけれどね、僕は田舎育ちで元々こうした性格で」
「前に出ないであるか」
「そうした性格だから」
それでというのだ。
「前にもね」
「残念であるな、しかし能力はあるであるから」
「君もいるし」
「そこそこいい人生が送れるであるな」
「そうだね、君もどんどん成長させて」
九本尻尾になったがそれでも成長出来るからだ。
「僕もね」
「そうなっていくであるな」
「最初から強くてもそれで安心したらそこで終わりだから」
それでというのだ。
「これからもやっていかないとね」
「いい心掛けである、お主の前世も吾輩の小説を書いてからもである」
それで終わりでなくというのだ。
「どんどん書いてである」
「それでなんだ」
「多くの名作を残したであるしな」
「僕は今の生でもだね」
「努力を続けるであるな、では頑張るである」
地味な性格でもとだ、ソウセキはカントの背中を押した。そしてだった。
カントは大学も優秀な成績で卒業した、すると十星連合の文部省に注目されてそのうえでだった。
国立大学の大学院に研究員として誘われそこで実績を残した、そのまま文部省で優秀な召喚士として迎えられた、それでだった。
ソウセキは彼に言った。
「よかったな、じゃあこれからもな」
「うん、一緒にね」
「頑張っていこうぜ」
こう彼に言ってだった。
ソウセキはカントの背中を言葉で押した、そして。
カントはソウセキと共に召喚士として生きていった、その技量は素晴らしく十星連合で知らない者はいないまでになった。それはソウセキとの魂の因縁からのことだけでなくその努力も大きかったことは彼を知る誰もが認めることだった。
黒猫の前世 完
2020・12・21
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