第三話 小さな決意と大きな一歩その七
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そしてだ。このことを言うことも忘れていなかった。
「ただ。ラーメンはね」
「あっ、あまり時間を置いたら」
「そう。のびるから」
それでだというのだ。
「早いうちに食べよう」
「そうだね。のびたら元も子もないから」
「うん、それを食べてね」
「それからだよね」
「他のを食べよう」
希望はもう食べているがだ。それでもだと言ってだ。
そのうえでだ。二人はまずそのラーメンを食べてから他のものも食べた。それからだ。
デザートも食べてそれからだ。店を出た。店を出るその時にこう言った希望だった。
「美味しかったけれど」
「どうしたの?」
「うん、食べ過ぎたから」
それでだとだ。また暗い顔になり言うのだった。
「太るよね。油っこいものばかり食べたし」
「ううん、大丈夫だよ」
だがその彼にだ。こう言う千春だった。
声も表情も明るい。しかし希望はだ。
その千春に怪訝な顔でだ。問い返したのだった。
「どうして大丈夫なの?あんなに食べたのに」
「食べた分動けばいいから」
だからだというのだ。千春の声は明るいままだった。
「全然平気だよ」
「動けばいいって」
「希望太ってるの嫌なの?」
今度はその大きな目をぱちくりさせながら希望に尋ねてきたのだった。
「それ、嫌なの?」
「うん、実はね」
そうだとだ。希望は暗い顔のまま、俯いて千春に答えた。
「嫌だよ、いつも言われるし」
「そうなの」
「けれど子供の頃から太ってるから」
だからだと。また諦めの言葉を出すのだった。
「ちょっとね」
「どうしようもないの?」
「どうすればいいのかな」
どうしようもないとは言わないのだった。
「本当にね」
「それならそれもね」
どうすればいいのかをだ。千春は勉強の時と同じく言ったのだった。
「スポーツすればいいから」
「スポーツ?」
「うん、走ったり泳いだり」
そういうことをすればいいというのだ。
「そうすればいいよ」
「けれど動いたらね」
どうなるかとだ。ここでも暗い顔でだった。
希望は言う。本当にネガティブに。
「筋肉痛になって痛いから」
「身体が痛くなっても大丈夫だよ」
「それも大丈夫って」
「そう、大丈夫」
とにかくだ。安心していいと言う千春だった。
そしてその理由もだ。彼女は希望に話すのであった。
「痛くなってもお薬あるから」
「筋肉痛にいいお薬あるんだ」
「そう、だから大丈夫」
「そんなのあるんだ」
「そう、だからどれだけ動いて痛くなってもすぐに痛くなくなるの」
その薬があるからだというのだ。
「塗り薬だけ
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