第一章
[2]次話
家出猫の縁結び
宮下小鳥、二十七歳のOLで茶色の髪の毛をロングにしていて細く長い眉と大きなはっきりとした一目の目を持つ彼女は職場で同期の平松都に話した。
「それでね」
「もう完全に家の猫になったのね」
「そうなの」
こう都に仕事中の休み時間に話した。
「これがね」
「会社帰りにたまたま出会って」
都はその話を聞いて言った、薄茶色の髪の毛を右で分けた波がかったボブにしている。気の強そうな大きな目に小さな唇と顎が尖ったやや丸い顔を持っている。背は二人共一五六位だが小鳥の方が胸が大きく都の方が脚はすらりとしている。
「それでなのね」
「そう、拾ってね」
「一緒に暮らしはじめたの」
「そうなの、最初から首輪してたから」
それでとだ、小鳥は都に話した。
「捨て猫かね」
「家出したか」
「どっちかだと思うけれど名前も住所もわからないの」
そのどちらもというのだ。
「首輪の電話番号は擦り切れて見えなくなっていて」
「そうなの」
「名前もアルファベットだけれど」
それでもというのだ。
「EとMはわかるけれど」
「それでもなのね」
「そこから先はわからなくて」
それでというのだ。
「名前はエミリーにしたの、女の子だし」
「三毛猫の女の子ね」
「ほら、三毛猫って大抵女の子でしょ」
雄なら極めて稀少で見付ければ大騒ぎになる、そして飼い主も必死に探して小鳥が拾ってもわかることだ。
「だからね」
「捨て猫でも家出でもなのね」
「わからないから」
それでというのだ。
「もうね」
「あんたが飼ってるのね」
「うちのマンションペット可だし」
このこともよくてというのだ。
「それでね」
「今は一緒なのね」
「そうなのよ」
「猫を助けたしいいことだと思うけれど」
ここまで聞いてだ、都は小鳥に返した。
「ただね」
「ただ?」
「私達もうアラサーだしね」
その年齢だからだというのだ。
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