暁 〜小説投稿サイト〜
歪んだ世界の中で
第三話 小さな決意と大きな一歩その六

[8]前話 [2]次話
「食べよう。それじゃあね」
「うん、それじゃあ」
 希望は少しだけ明るくなった顔で千春の言葉に頷いた。そうしてだ。
 箸を手に取りいただきますを二人でしてからだ。麺を食べだ。
 それから豚足もかじった。それから言うことは。
「成程ね」
「どう?美味しい?」
「麺も豚足も」
 そのどちらもだというのだ。
「凄くいいよ」
「だからこのお店にしたの」
 にこりとしてだ。千春は希望にまた述べてきた。
「豚足とラーメンの組み合わせなんてそうそうないし」
「確かに。滅多にないね」
 希望は豚足の先、蹄のところを食べていた。皮と油の柔らかいゼラチンのところを食べている。
 そのうえでだ。こう言うのだった。
「けれどそれだけに」
「そう、美味しいの」
「チャーシューみたいかなって思ったけれど」
「違うの」
「うん、また違うね」
 実際に食べてみての感想だった。
 それを食べながらだ。さらに言う彼だった。
「けれど一度食べてみたら」
「好きになった?」
「大好きになったよ」
 そこまでだというのだ。
「いや、舌に合ってるのかな」
「ううん、舌に合ってるんじゃなくて」
 そうではなく。では何かというと。
「美味しいからなの」
「それでなんだ」
「そう、そう思えるの」
「成程ね。それにしても麺も美味しいし」
 コシがしっかりしていて風味もよくだ。スープにもよく絡んでいる。
 スープはあっさりだ。それでだった。
「豚足に合ってるね」
「豚足とね。合ったね」
「そうしたラーメンなんだ」
「それで豚足も」
 ひいてはだ。そちらもだった。
「ラーメンに合わせた味付けにしてるの」
「どっちもどちtで」
「そう、調和させてるの」
「それで美味しいんだ」
 何故ここまで美味なのか、希望はわかったのだった。
「両方を調和させているからなんだね」
「うん、そうなの」
「だからこそなんだ」
「ラーメン、お料理は全部そうだけれど」 
 料理全てに言えることだというのだ。
「全部ね。まとまってるとね」
「美味しくなるんだ」
「そうなの、それぞれの味がなの」
「ううん、そういえば」
 ここでだ。希望はだ。
 他の料理も食べてみた。水餃子や八宝菜、それに唐揚げもだ。
 そういったものを食べてからだ。また言うのだった。
「この店のお料理ってどれも」
「調和できてるのよね」
「だから美味しいんだ」
「そうなの。だからこのお店紹介したの」
「それでだったんだ」
「だからどんどん食べよう」
 今度は炒飯を食べながら言う千春だった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ