第三章
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「入れておいたご飯食べて」
「それでよね」
「もうずっとです」
麗奈が家に帰るまでというのだ。
「寝ています」
「そこは一緒ね」
「犬も猫も」
「そうね、けれど家で一緒だと」
「もうですね」
それこそというのだ。
「一緒にいたがりますね」
「そうですね、ですから」
「あんたもいつもなのね」
「一緒にいる様にしています」
「そうよね、ただお散歩は」
「してます」
麗奈ははっきりと答えた。
「この子外に連れて出しています」
「犬と一緒なのね」
「はい」
実際にというのだ。
「そうしています」
「そうなの」
「最近猫も散歩に出せますから」
「リードを付けて」
「猫用の。ただ犬よりは」
「あまり積極的でないの」
「そうなんです」
これがというのだ。
「多分お家の中でいつも動きたい時に動いているので」
「だからお散歩については」
「ワンちゃん程じゃないです」
積極的でないというのだ。
「これが」
「そうなのね、けれど共同生活を満喫しているわね」
「はい、ずっといますよ」
「そのずっとは絶対よ」
千夏は麗奈にここで強い声で言った。
「生きものを飼うとね」
「そうですよね」
麗奈もまさにと答えた。
「そのことは」
「若しそれが出来ないなら」
「里親を探して引き取ってもらうことですね」
「最悪の場合はね」
「つまり出来るだけ一緒にいられる様にする」
「もういらないとか言って捨てるとか」
そんなことはとだ、千夏は怒った顔になって話した。
「論外よ」
「本当に、ですから私も」
「その子と一緒にいるわね」
「ミンと。彼氏が出来ても結婚しても」
それでもというのだ。
「一緒です」
「そうでないとね、私もよ」
こう言ってだった。
二人は猫のことをあれこれ話した、そして千夏は自分の家に帰る時に二人の傍にいたミンに声をかけた。
「ミン君またね」
「ニャンニャン」
ミンは麗奈と一緒に千夏を玄関まで見送った、そして千夏がまた麗奈の家に来た時も彼女に懐き麗奈の傍にずっといた。そのうえで帰る時はまた玄関まで見送ってくれた。
猫は寂しがり屋 完
2020・12・20
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