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ずっと一緒の姉妹
第一章
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                ずっと一緒の姉妹
 この時岬義定は仲間達と共に街で遊んでいた、高校から帰る途中の貴重な一時を満喫していた。だがその中で。
 不意にだ、仲間の一人がこんなことを言った。
「何か声聞こえねえか?」
「ああ、そういえばな」
「悪態みたいな声聞こえるな」
「こっちからだな」
「このアパートの裏側だな」 
 義定達はその声に気付いた、そして。
 丁度自分達が前にいたアパートいつも行くゲームセンターの近くにあるそのアパートの裏側に入った、すると。
 そこにやけに荒んだ人相でくたびれたスーツを着た若い男がいた、真ん中で分けている黒髪も乱れている。
「もうお前等なんていらねえんだよ、けっ」
「ニャ〜〜〜・・・・・・」
「ナ〜〜〜・・・・・・」
 バケツをしきりに蹴り回しつつ言っていた、義定はその男とバケツを見て仲間達に言った。制服のブレザーの着こなしは崩れていて髪の毛は赤くアクセサリーもちゃらちゃらした感じで如何にもという外見だが目の光は明るい、それは仲間達もだった。
「おい、あのバケツに猫いるよな」
「だよな、かなり弱ってるな」
「そうだよな」
「猫バケツの中に入れていじめてるのか?」
「とんでもねえ奴だな」
「そんなこと止めないと駄目だろ」
 義定は真剣な顔で言った。
「動物虐待なんてな」
「だよな、そんなの俺達だってしねえぞ」
「頭悪くて日頃の行いも悪いけれどな」
「そんな俺達でもしないぞ」
「いじめとかカツアゲとか万引きはな」
「だったらな」 
 義定は仲間達に言った。
「もうな」
「ああ、止めようぜ」
「外道な行いはな」
「そうしないとな」
「ああ、行くぜ」 
 こう言って仲間達と共にだった。
 義定はその男のところに行って強い声をかけた。
「おっさん、止めろよ」
「何だお前等」
 男はその荒んだ顔を義定達に向けてきた、見れば元は普通の顔であったのが荒みきっていて異様に悪い人相になっている。
「俺は家の猫達を躾けてるんだよ」
「バケツの中に入れて蹴り回してか」
「そうだよ、言うこと聞かねえからな」
「それは躾じゃねえだろ」
 義定は男を睨んで言い返した。
「虐待だろ」
「虐待?何の根拠があって言うんだよ」
「バケツの中に入れて蹴り回すのを虐待って言わずに何て言うんだよ」
「うるせえ、お前等に関係ないだろ」
「なくてもそんなの身過ごせるか」
「何っ、ガキの分際で」
 男は義定の言葉に切れた、それでだった。
 手に持っている一升瓶で殴りかかってきた、義定もこれを受けてだった。
 一升瓶の一撃をかわして足払いをかけた、そうしてこかせて上から馬乗りになって押さえつけてから仲間達に言った。
「おい、こいつどうする?」
「猫いじめていたし
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