第三話 小さな決意と大きな一歩その三
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そしてそれからだ。また言う千春だった。
「そこに行って食べよう」
「ええと。どういうお店かな」
「ラーメンが凄く美味しいの」
目を細めさせてだ。千春は話した。
「そこにしかないラーメンなの」
「そのお店にしかない」
「そうしたラーメンなの」
「どんなのかな」
具体的にはどの様なラーメンか気になりだ。希望は千春に尋ねた。
「それでそのラーメンって」
「それは行ってみればわかるから」
「それからなんだ」
「そう、それまでのお楽しみだから」
「わかったよ。それじゃあね」
千春の言葉に笑顔で頷きだ。そうして。
希望は彼女と共に中華街に来た。そこはだ。
夏休みだけあり人でごった返していた。そのせいでかなり暑い。
紅い建物や看板、それに漢字で飾られた独特の街にだ。土産ものや料理を扱う店が並びだ。どの店も活気に満ちていた。その中においてだ。
千春はだ。こう希望に行って来た。
「それでね」
「そのお店だよね」
「こっちだよ」
希望の右手首を。自分の左手首で掴んできた。
それからだ。彼を引っ張って行くのだった。
そうして案内したのは少し小さな店だった。紅を基調として白もあるだ。まさに中華風の店だった。
その店に入りだ。そしてなのだった。希望は言った。
「このお店で」
「そう、凄く変わっててね」
それでだと。千春は邪気のない笑顔で希望に話す。
店の中はテーブルも椅子もだ。全て中華風だ。文字もだ。
だがその文字を見てだ。希望は言った。
「中国の文字だね」
「わかるの?」
「うん、日本の漢字とは違うから」
同じ漢字でも形が違っていた。中国の漢字は略されている。
その略された漢字を見てだ。彼は言うのだった。
「だからね」
「昔は違ったの」
「昔って?」
「そう、ここに清、ううん中国の人達が来た時は」
その頃はというのだ。違ったというのだ。
「漢字はこうした感じじゃなくて」
「略されてなかったんだ」
「そうなの」
「ううん、そうだったんだ」
「字は変わるから」
千春はそれが当然のことだと話す。そうしてだった。
千春は今度はだ。店のそのラーメンのことも話したのだった。
「ラーメンもね」
「僕達が今から食べるそのラーメンも」
「そう。美味しくなったから」
「昔に比べて?」
「そう、美味しくなったの」
こう話すのだった。
「今からその美味しくなったラーメン食べよう」
「じゃあそのラーメンをね」
「他にもあるから」
「他にも?」
「ここ、ラーメン以外も美味しいの」
他の料理もいいというのだ。この店はだ。千春は店の
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