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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第16話:新体制の幕開けー4
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に音声での通信がつながると、ゲオルグは寸暇を惜しむように早口で話し始めた。

「時間に余裕がないから手短に言う。
 今上空にいるヘリから我々の展開状況を撮影され、ライブで放送されてしまった。
 このため、部隊配置を敵に知られてしまったと判断し、敵に対応する時間を与えないように
 店舗エリアへは即座に突入を開始する。 いいか?」

『了解しました』
『わかった』

「よし。ではそちらの統括はクリスティアン3佐に任せる。
 クリスティアン、頼んだぞ」

『ああ、任せろ』

ゲオルグはウェゲナーとクリスティアンへの指示を終えると、ルッツの方を振り返った。

「大丈夫ですかね?」

ルッツは、彼には珍しくその両目に不安げな色を讃えてゲオルグの方を見ていた。

「下は大丈夫だよ。 それより俺らはこっちの仕事をきっちりやろう」

そのとき、エレベータシャフトを上ってきたイーグル分隊の面々が屋上に姿を現した。

「お待たせしました、ゲオルグさん」

ティアナがゲオルグの前にやってきて敬礼した。
ゲオルグは無言で頷くと、彼女とルッツに向かって指をクイっと動かして呼び寄せた。
ティアナは傍らのマイラーに"待機を"と告げてゲオルグのそばへと移動した。

「時間に余裕がないから状況を説明する」

ゲオルグはそう言って、自分たちの配置状況がカメラで撮影され放送されてしまったこと。
そのために店舗エリアへの突入を速めたこと。
最後に最上階には銀行の幹部が拘束されているものの、敵の姿は確認できていないことを伝えた。
時折頷きながら聞いていたティアナは、ゲオルグの話を聞き終えると苦笑を浮かべた。

「敵がいないんじゃ、ちょっと気が抜けてしまいますね」

ティアナの言葉にゲオルグも思わず苦笑を浮かべる。

「気持ちはわかるけど、ちゃんと気合入れてけよ。油断は禁物だ」

ゲオルグがそう言ったとき、ビルの下のほうから"どすん"という低い音が響いた。

『301、突入を開始した』
『ファルコン01、裏口から突入開始』

それとともに301部隊とファルコン分隊が突入を開始したという通信が入る。

「始まったな」

「ええ。 こちらもはじめましょう」

ゲオルグとティアナはお互いに向かって頷きあうと、ティアナはイーグル分隊員たちのほうへと
移動していった。
そしてマイラー以下の隊員たちに作戦内容を説明する。
分隊をいくつかの班に分けて、それぞれの班にどの部屋を探索させるか割り当て、
そのルートの指示を与えていく。
その様子を見ていたゲオルグは、満足げに頷いた。

(立派に分隊長やってんじゃん)

それからすぐに作戦説明を終えたティアナが、ゲオルグの前に戻ってきた。


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