木綿季のオリジナル
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」
止まった。ソードガンと刃が、クトリの首寸前で静止していた。
「姉ちゃん……!」
アマゾンネオが呪ったような声で言った。二人の火中に飛び込むクトリの大胆さに驚きながら、ウィザードはソードガンを下ろす。
「ほ、ほっ……」
緊張感に当てられた友奈が、腰を落とした。
「二人とも……驚かさないでよ……」
一方、クトリはアマゾンネオに抱きつく。
「ね、姉ちゃん!」
「大丈夫。怖くない。心配ないから」
「そういうことじゃない! アイツは……!」
「ハルト君は、たまに病院にマジックを見せに来てくれる人。それだけ。ね? マスターとか、そういうのじゃないよ」
「……」
クトリの言葉に、アマゾンネオは黒一色に変わっていく。やがて千翼へ戻り、そのまま背を向ける。
「千翼?」
「……喫茶店に戻る。木綿季さん、置いていったから……」
「うん!」
クトリが頷き、彼の手を握った。照れ臭そうな千翼だが、彼女の手を振り払う様子はもう見られなかった。
それを見送りながら、ハルトはスマートフォンを動かす。
「ハルトさん?」
友奈が心配そうにこちらを見ている。ハルトは、
「ああ。ちょっと気になることがあってさ。友奈ちゃんは?」
「うーん……私もちょっと心配かな? 着いていっていい?」
「いいけど。ラビットハウスっていう、俺と可奈美ちゃんが働いている喫茶店だよ」
「りょーかい! この前教えてもらってるから大丈夫だよ」
「知ってたんだ」
「ハルトさんは?」
「ちょっと、確認だけしてから戻る。先に行ってて」
「? うん」
頷いた友奈は、千翼とクトリを追いかける。
彼女たちを見送って、ハルトは可奈美に電話をかけた。
可奈美が出るのは、思ったよりも早かった。
『もしもし。ハルトさん?』
「可奈美ちゃん。ごめん。まだ話してた?」
『ううん。さっきチノちゃんも帰ってきて、今ココアちゃんを入れて三人で話してるよ』
「そっか。……ねえ、確か可奈美ちゃんがアマゾンって怪物の名前最初に知ったのって、昨日だよね?」
『そうだよ』
「それってバーサーカーが言ったんだよね」
『うん』
「それで、フラダリさんがアマゾンって怪物名を発表したのが今朝……」
そこまで言ったところで、可奈美もハルトの意図を理解できたのだろう。息をのむ音が聞こえた。
ハルトは続ける。
「どうしてフラダリさんとバーサーカー、同じ名前で言えたんだ?」
アマゾンの町中の出現に騒然としている街。その音が、遠くに聞こえた。
「……」
可奈美はスマホを切る。
ハルトとの通話後、可奈美はじっと自身のスマホ画面を見下ろしていた。刀剣博物館で気に入った展示
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