第百八十二話 枢軸の神具その十一
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「パンがあれば」
「それでか」
「ロシア人は満足だ」
「それ以上はいらんか」
「ロシア人はそうした人達だ」
「無欲やねんな」
中里はロシア人のこの美徳を今強く感じ取った。
「つまりは」
「そういえば学園のロシア人って皆ええ人や」
シェリルも言ってきた。
「そう言ってええ位や」
「そやな」
中里はシェリルの言葉に頷いた。
「そういえばな」
「そやね」
「無欲なだけやなく素朴で親切で」
「ええ人ばかりや」
「そやな」
「ロシアの最大の財産は国民だ」
ドフトエフスキーは言い切った。
「資源じゃないだ」
「その素朴で無欲で親切な人達か」
「しかもあらゆる分野に才能を発揮してくれて」
「お婆さんもか」
「そだ、その国民がだ」
「ロシア最大の財産か」
「だからロシアは凄いだ」
こう言うのだった。
「広大な領土と資源はその次だ」
「国民こそがか」
「わしはそう主張するだ」
「そやねんな」
「あっちの世界でもロシア人ええ人ばかりやで」
難波も言ってきた、言いつつ今はサイダーをごくごく飲んでいる。氷が入ったよく冷えたサイダーである。
「ウラジオストクでもな」
「それでシベリアでもか」
「ほんまに素朴で無欲で親切で温厚でな」
「そんな人達ばかりか」
「そやで、ええ人達やで」
「自分が見てもやな」
「まあウォッカないと動かんけどな」
このことは事実だが、というのだ。
「何でも昔から朝起きてからな」
「飲んでる国か」
「そうしたお国柄らしいけどな」
「そっちの世界でもやな」
「そやけどほんまにな」
ウラジオストクにいて極東及びシベリア総督の立場から言うのだった。
「ロシアの人達はな」
「あっちの世界でもやな」
「めっちゃええ人達ばかりやで」
「そやねんな」
「実際にロシアの宝やで」
「あまりに寒いので」
エカチェリーナも言ってきた。
「そうした国民性になりました」
「厳しい環境が優しい人達を育てたんやな」
「素朴で無欲で」
「そやねんな」
「そうですわ、そして今もですわ」
「ロシア人はええ人達が多くてか」
「あちらの世界でもですわ」
エカチェリーナは中里に上品かつ穏やかな笑顔で話した。
「そうした人達ですわ」
「そやねんな」
「確かにだ」
日毬も再び言ってきた、その大きな胸を気にしている様だがそれでもあえて自分では見ない様にしている。
「私もロシア人の友人がいてだ」
「印象悪くないな」
「貴殿に言うことは多いが」
「またまた、うちと日毬ちゃんは知った仲やないの」
マリーナは自分に言う日毬に笑って返した。
「そんな堅苦しいこと抜きでや」
「話すというのか」
「腹を割ってな」
「腹を割ってか」
「切腹して」
「
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