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オズの木挽きの馬
第五幕その三

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「そちらに行くわよ」
「わかりました」
「それではね」
 グリンダは恵梨香にお話してでした。
 早速ステッキにレッド牧場を出た黄金の羊が何処に行ってしまったのかを尋ねました、するとでした。
 ステッキは東の方に倒れました、それを見てグリンダは皆に言いました。
「東よ」
「黄金の羊はそこにだね」
「ええ、いるわ」
 木挽きの馬に答えました。
「そちらにね」
「ではちょっとね」 
 馬はグリンダのお話を聞くとこう言いました。
「そちらに行ってね」
「確かめて来るのね」
「僕の足で東の方を見て」
「どういった状況か確かめて」
「そしてね」
「私達に教えてくれるのね」
「だからちょっと待ってね」
 グリンダに威勢よく言いました。
「今から見て来るから」
「ええ、お願いするわね」
「すぐに行って来るよ」
 木挽きの馬はここまで言うとすぐにでした。
 風よりも速く駆けていきました、その速さはもうどんなスーパーカーも敵わない位でした。そうしてでした。
 暫くして皆のところに戻って来てこう言いました。
「おかしなものはなくてね」
「安全だね」
「そしてね」 
 馬はモジャボロに答えました。
「羊はいたよ」
「いたんだ」
「うん、雌の羊と一緒にいたよ」
「ああ、その娘を好きになって」
「それでみたいだよ」 
 馬はさらにお話しました。
「牧場を出てね」
「その娘のところに行ったんだね」
「僕は羊君達とお話していないけれどね」
「そのことはわかったんだ」
「彼等を見てね」
 それでというのです。
「わかったよ」
「そういうことだね」
「だからね」
「これからだね」
「東に行こう、そしてね」
「羊君達と会ってだね」
「お話を聞こうね」
 こうモジャボロに言いました。
「これからね」
「では今度は羊さん達のところに行きましょう」
 グリンダも言ってきました。
「そうしましょう」
「ううん、魔法の力もあって」
 恵梨香はしみじみとした口調で言いました。
「羊さんはすぐに見付かりそうね」
「うん、ただね」
 モジャボロがここで恵梨香にこう言いました。
「オズの国だからね」
「何が起こるかですね」
「そのことはね」
 どうしてもというのです。
「わからないよ」
「そうでした、オズの国ですから」
「何時何が起こるかね」
「わからないですね」
「悪いことは起こらなくても」
 それでもというのです。
「何時何が起こるかわからない」
「常に何かが起こる国ですね」
「だからね」
「そのことは頭に入れて」
「そのうえでね」
「行くことですね」
「そうしようね」
 こう恵梨香に言うのでした。
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