第114話
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うな状況に陥ったが……」
「あの時の彼は昏睡状態に陥って、しばらくの間戦線を離脱することになってしまったが……」
「こ、”昏睡状態”!?本当に大丈夫なんですか、トマス教官!」
トマスの様子を見て心当たりがあるミュラーとオリヴァルト皇子は真剣な表情でトマスに声をかけ、二人の会話を聞いたマキアスは不安そうな表情でトマスに訊ねた。
「アハハ〜、想定以上に聖痕の力を使う羽目になってちょっと疲れただけですから、心配無用ですよ〜。ほら、この通り。」
トマスは苦笑した後すぐに立ち上がった。
「どうやら、あの天使達は”強制転位”させたみたいだけど……どこに転位させたのかしら?もし強制転位させた場所が魔獣の巣窟だったり運悪く幻獣と遭遇することになって、それが原因で連中から一人でも”死者”が出たら、灰獅子隊(リィン達)が完全にアタシ達を”敵”と見る事もそうだけど最悪は連合にアタシ達まで”鉄血宰相”達と同じ扱いをされる―――――要するに連合が”本気”でアタシ達を”潰し”に来る事に発展する可能性も考えられるわよ。」
「そ、それは……」
「ああ、それは大丈夫ですよ。転位させた目標地点はユミル近郊の連合軍の駐屯地です。……とはいっても、あれ程の人数に加えて彼女達は咄嗟に全身に霊力を纏って抵抗しましたから、恐らく想定よりも近い距離に転位させられているでしょうね。せめてユミルへ向かう山道の中腹……いえ、麓に転位させられるとよいのですが……」
セリーヌの指摘にエマが不安そうな表情を浮かべている中、トマスは静かな表情で答えた。
「ま、ルシエル達の転位場所は気にはなるけど、あれ程の戦闘能力に加えて連携力もあるんだからそこらの魔獣もそうだけど幻獣にも遅れを取らないと思うよ。」
「そうだよね〜。それよりもルシエル達のせいで、ログナー侯爵家に突入するのが遅れたから急いだ方がいいんじゃない?」
「ああ……!ここからはアクセル全開で行くよ、みんな!」
「おおっ!!」
フィーの指摘に同意した後に呟いたミリアムの指摘に頷いたアンゼリカは号令をかけ、仲間達と共にログナー侯爵家の屋敷へと急行し始めた。
〜ユミル山道・麓・ケーブルカー乗り場〜
一方その頃トマスによって強制転位させられたルシエル達はユミルに向かうケーブルカーの乗り場付近に現れた。
「ここは一体……」
「ふむ……これ程の人数の天使を、それも魔力による抵抗があったにも関わらず”強制転位”させる力が人間にあるなんて、主といい、この世界の人間はつくづく興味深い存在が多いね。」
「……くっ……わたくし達は一体どこに転位させられたというのですか……!?」
転位が終わるとユリーシャは周囲を見回し、
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