104 合唱コンクールの異変
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話を始める。
「今日は合唱コンクールです。皆、毎日の練習の成果を思う存分発揮しましょう」
皆が「はいっ」と返事した。
そして、合唱コンクールが始まった。1年生から順に学年毎に歌を披露する。次に2年生、そして3年生の番となった。自分のクラスの番が近づくにつれ、緊張のボルテージが上がる。だが、おっちょこちょいはしたくない。かよ子はそう思った。
『次は3年4組の「大きな古時計」です』
(よし、絶対におっちょこちょいしないぞ・・・!!)
かよ子は深呼吸をした。丸尾の指揮で花輪が前奏を弾く。そして1番の合唱が始まる。
「お〜おきなのっぽの古時計、おじい〜さんのとけい〜♪百年、い〜つも、動い〜ていた、ごじま〜んのと〜けいさ〜♪」
かよ子の独唱の番が来た。絶対に音を外してはならない。そして練習の成果を見せてやる。
「おじい〜さんの生まれた朝に、買〜って来たと〜けいさ〜♪」
上手く歌えた。かよ子はおっちょこちょいをしなかったのだった。そして合唱に戻る。
「今は、もう、動かない、そのと〜け〜い〜♪百年休まずに、チクタクチクタク、おじいさんと一緒に、チクタクチクタク、今は、もう、動かない、そのと〜け〜い〜♪」
1番が終わった。短い間奏を過ぎ、2番に入る。
「な〜んでも知ってる古時計、おじい〜さんのとけい〜♪きれい〜な、花嫁、やってきた、その日〜も動〜いてた〜♪」
2番の独唱部分。今度は笹山が歌う。
「嬉しい〜事も、哀しい事も、皆知ってると〜けいさ〜♪」
(笹山さん、綺麗な声だったよ・・・)
藤木は心の中で褒めた。だが、合唱に戻り、藤木は歌い出しが遅れてしまった。
「今は、もう、動かない、そのと〜け〜い〜♪百年休まずに、チクタクチクタク、おじいさんと一緒に、チクタクチクタク、今は、もう、動かない、そのと〜け〜い〜♪」
そして二度目の間奏にはいる。一度目よりは少し長い間奏である。そして、3番に入る。
「ま〜よ〜中に、ベルがな〜った。おじい〜さんのとけい〜♪お別〜れのと〜きがき〜たのを、皆に教え〜たのさ〜♪」
そして3番の独唱部分。今度は大野が歌う。
「てんご〜くへ・・・♪」
その時だった。大野の声が出なくなった。
(しまった、声が、でねえ・・・!!)
大変な事態である。だが・・・。
「の〜ぼるおじいさん、時計〜ともお〜別れ〜♪」
別の人間が歌った。それは杉山だった。
(す、杉山君、独唱も凄い・・・!!)
かよ子はそう思った。
(杉山・・・)
大野も杉山に対して何か思う。そして合唱部分に戻る。
「今は、もう、動かない、そのと〜け〜い〜♪百年休まずに、チクタクチクタク、おじいさんと一緒に、チクタクチクタク、今は、もう、動かない〜・・・、そのと〜け〜い〜♪」
合唱が終わり、花輪が終奏を弾
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