103 最悪の日
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得た。そして杖は竜巻を作り出し、野良犬を遠くへ吹き飛ばした。
「はあ、何とかなった・・・」
しかし、藤木と笹山はその場にはいなかった。
藤木と笹山は何とか逃げおおせた。
「はあ、はあ、もう大丈夫だよ、笹山さん」
「でも、山田さんを置いて行っちゃったじゃない!どうして山田さんを見捨てたの?」
「で、でも、僕だって怖いし、笹山さんに怪我をして欲しくなかったんだ!」
「私は良くても山田さんが怪我したらどうするのよ!?」
「う・・・」
「私、山田さんの所へ行ってくる!!」
笹山は藤木から離れた。
「ま、待ってよ笹山さーん!!」
しかし、笹山を呼び止める事はできなかった。
かよ子は立ち上がった。
「急いで帰ろう・・・」
その時だった。
「山田さーん!」
「笹山さん・・・!!」
「ごめんね、先に逃げちゃって・・・。藤木君ったら山田さんを見捨てるんだから・・・」
「うん、確かに卑怯だったね。でも、この杖で何とかやっつけたよ」
「杖?」
「うん、色んな物質に向けるとその物質の力を操れるんだ。さっきは風が吹いたから風の能力で竜巻を作って野良犬を追い払ったんだよ」
「へえ、凄い杖ね。そういえば近所のお姉さんから聞いた気がするわ。この前、山田さんがその杖盗られそうになったからやっつけたって」
「実はそうなんだ・・・」
「そうか、でも、怪我しなくて安心したわ。一緒に帰ろう」
「うん!」
そして翌日、かよ子と笹山は藤木の机の元へ行く。
「藤木君!」
「な、何だよ!?」
「昨日、私を置いて逃げるなんて、卑怯だよ!」
「ご、ごめんよ、僕だって怖かったんだよ!」
「今更謝っても遅いよ!笹山さんはすぐ戻って私の所に謝りに行ったよ!藤木君はその後、どうしたの?」
「か、帰った・・・。笹山さんが行っちゃったから」
「ありえないよ!そんなの!!」
「そうよ。ひどいわ!」
その時、周りのクラスメイトが話を聞いており、藤木を非難していく。
「うわー、最低!」
「笹山さんはともかく、なんでかよちゃんを見捨てるの!?」
「本当に卑怯!!」
そしてまる子とたまえも寄って来た。
「ええ!?藤木が!?」
「あのおっちょこちょいのかよちゃんを置いてきぼりにするなんて!いくらかよちゃんが杖を持ってるからって!!」
藤木は非難の的となってしまった。そして隣の机の永沢が留めの一言を浴びせる。
「藤木君、君、山田を見捨てて逃げたのかい?君は本当に筋金入りで底抜けの卑怯者だね。君とはもう絶交だよ」
藤木はもう頭の中が真っ白になった。笹山とも口を聞いて貰えなくなった藤木にとって人生最悪の日になってしまった事は言うまでもない。
さりはこの日も仕事をしていた。だが、いつ敵が護符を狙いに来るか分からない
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