暁 〜小説投稿サイト〜
SHOCKER 世界を征服したら
新世界の『日常』
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
演説もいい内容だったよな」
「アンチショッカー同盟の奴らのテロのせいで俺の会社は潰れてな。露頭に迷ってたところを救ってもらったんだ。職業斡旋までしてくれてよ、本当にショッカー様々だよ」
「大首領様は御心が広い!適正のある人間は出自に関係なく優良企業や高級官僚に登用してくださるんだからな!」


話している人々の中には日本語が覚束ない、エキゾチックな褐色の肌をした者も混じっていた。ひと目で外国人……もとい別のエリアの出身だと分かる。


「そのトーリデス。東南アジアエリアから来たワタシでもジツリョク認められて、ここニホンエリアの会社でハタラクがデキタネ。地元のワタシの家ビンボー。でもショッカーのおかげでテレビがカエマシタ」


1970年代、テレビは日本やアメリカなどの先進国を除いて……つまり東南アジアやアフリカなどの発展途上国では高級品であり、庶民にとっては高嶺の花だった。そこでショッカーは征服後、安価で単純な構造のテレビを開発して、全世界に行き渡らせたのである。
当然、これには裏があった。ショッカーが政治宣伝の道具としてテレビを利用するためである。ちょうど、1930年代のドイツでナチスが低価格のラジオを普及させることで政府のプロパガンダを聞くように仕向けたのと全く同じだった。


「そうか……お前も大変だったんだな」


日本エリア出身の男が東南アジアエリア出身の男の肩を優しく叩く。


「お、"あれ"が始まる時間だ。誰かテレビのチャンネルを変えてくれ」


するとちょうど放送されていたスポーツ番組が別のチャンネルに切り替わった。
酒場の人間達の視線がテレビに集まる。これからこの世界の人気番組が始まろうとしていた。
番組のタイトルは『旧世界断罪裁判』。そして右隅には小さく『ネオショッカー州より生中継』と書かれていた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
厳かなファンファーレと共に裁判所の法廷が映し出される。
裁判長席に座っているのはネオショッカー大幹部であり、イングランドエリアの行政長官である魔人提督だ。
魔神提督は被告人の顔をジロリと睨みつけると陪審員達に向けて尋ねた。


「この男に対する判決は出たかの?」


白い三角頭巾を被った男達、この裁判における陪審員達が次々と思い思いの刑を述べていく。とはいえ、この裁判自体が旧世界の人間を"始末"する為の出来レースなので判決は1つしかないようなものだった。


「死刑!!」
「死刑!!」
「死刑!!」
「死刑!!」


魔神提督は予定通りの流れを聞くと、芝居がかったように口角を上げた。


「よし、判
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ