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SHOCKER 世界を征服したら
新世界の『日常』
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い背広に身を包み、右腕には大ショッカー党の象徴ともいえる地球儀を掴む鷲が描かれた腕章をしていた。
青年は紳士的に微笑みを浮かべ、両手をメガホンの形にして大声で聴衆に問いかけた。


「皆さーん!今、幸せですかー?」


「「「はーい!!」」」


聴衆…ではなく、サクラとして潜入している私服姿の戦闘員数名が手を上げて答えた。すると彼らにつられて一般の民衆が「はい!」と手を挙げた。民衆達は演説が始まる前のこの時点で、次第に盛り上がっていく場の雰囲気に飲まれていた。
さり気なくそれを確認した青年は演説を続けた。


「そうでしょう、そうでしょう。ショッカーの崇高なる理想郷(ユートピア)の前では不幸になる者などいるはずがありませんからね。……オホン、えー、では本題に入りましょうか」


青年は咳払いをすると本題に入る。
気づけば青年の口調は先程までの物腰柔らかそうな敬語から偉そうな平語に変わっていた。顔も強張り、目に力がこもる。


「諸君が知っての通り、ショッカーの理想とする世界は『優秀な人間』を改造し、人々を導くことだ!
では『優秀な人間』とは何だろうか?それは知力・身体能力に長け、常人よりも多くの物や新たな価値を創造する者のことだ!
偉大なる大首領様は利権に塗れた旧世界とは違う!彼らを公正に評価し、より強固な肉体へと昇華させてくださるのだ!!」


拍手喝采。中には歓声を上げている者もいた。


「反対に忌避すべき『愚鈍な人間』というものがいる。彼らは怠惰で、自ら堕落し、常に『優秀な人間』を妬んでいる。諸君の周りにもいないか?自分の不遇を人のせいにする者が。そういう者こそこの『愚鈍な人間』なのだ」


すると青年は天を仰ぎ見、哀しそうな顔をしてみせた。


「かつて……いわゆる旧世界には『愚鈍な人間』が大勢いた。しかし、それは諸君が悪いわけではない。それらは全て旧世界の権力者、そして奴等を未だに信奉するアンチショッカー同盟の仕業なのだ!」


ここから演説はヒートアップする。
演説の中で世界(ショッカー)の敵を明確に示した青年は次第に早口になり、内容も対象への同情心を削ぐような口汚いものへと変わった。


「害虫同然の旧世界の権力者共は諸君らを愚民化しようとしていた。自身の保身と既得利権を守る為に!!かくして優秀な人間の足を引っ張るルールばかりが作られ、諸君らは気づかないうちにただの家畜と化してしまったのだ!その片棒を担いでいたのがアンチショッカー同盟のゴミ虫連中なのである!」


このパートで、民衆の心の中で旧世界勢力(敵)とショッカー(味方)の違いをさらに事細かに際立たせることに成功した。ここで青年はオーバーな身振り手振りを加える。


「しかし大首領様に救わ
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