第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第83話 明日への挑戦3/4
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は、次に行きますよ。『天宇受売命』よ、我と共に再び舞踊を楽しみましょうぞ!」
依姫は次なる神、天宇受売命へと呼び掛けたのだった。この神の力により依姫は卓越した身のこなしを見せてくるだろう事は勇美も知っている所である。
だが、勇美は油断しなかった。この人相手に知識だけでは優位には立てない事が分かっているからである。
勇美がそう身構えている中で、依姫はスペル名を宣言する。
「【舞踏「神の剣の舞い」】」
それにより依姫の体が白いオーラのようなもので覆われた。これをレミリアとの戦いで見せたのも勇美は映像で見ているのだ。
だが、回避のみに従事したあの時と全く同じにはならないだろうという事は勇美も分かっていた。
その勇美の予想は当たっていたようだ。天宇受売命の力を受けた依姫は、レミリアの時とは違い自らが攻撃に出てきたのだった。
迎え打たねば。勇美はそう思い、対応すべく行動に移す。まずは、今力を借りている火雷神と金山彦命の加護を解除し、次なる手に出る。
「『祗園様』、お願いします」
勇美がそう新たな神に呼び掛けると、ブラックカイザーの持つ鉄球の形状が崩され、大振りの剣となった。
「【剣符「スサ・ブレード」】。ブラックカイザー、迎え打って!」
その主人の言伝を受けると、彼は承諾の意を見せて今正に迫る敵へと目を向けたのである。
そして、それは同時であった。巧みな身のこなしを手に入れた依姫と、槌の代わりに騎士らしく剣を携えた彼は、全く同じタイミングで得物を引き抜いたのである。
ぶつかり合う剣と剣。それにより予想を裏切らない程の金属音と火花が築き上げられた。
直接その場にいる依姫とは違って、勇美は自分の相棒にそれを行わせている状態である。だが、その戦いの重みは彼女にも伝わってくるのだった。
「くぅっ……」
故に勇美はその余りの気迫に気押されてくぐもった声をあげてしまう。だが、そうしている内にも依姫の攻撃は続くのだった。
一度剣を振るっても、返す刀で無駄な動きもなく続けて攻撃を行う。それも天宇受売命の力を受けた事で舞うように繰り出されていた。
正に『剣の舞い』であった。まるで依姫のみならず、剣自体が踊っていると錯覚してしまうかのような光景であった。
それを勇美はブラックカイザーの剣捌きで何とか受け流しながらも思っていた。依姫は見た目が派手な攻撃をする時よりも、今のような戦いをする方が遥かに手強い存在だと。
そう、依姫はこういった堅実で地に足を付けた戦い方を得意としているのだ。この勝負が始まってから一番厄介な状況と言ってもいいだろう。
故に、目を引く現象は起こさない天宇受売命の力は依姫とは相性抜群と言えるのである。これこそが依姫らしい戦い、その事を勇美は実感するのであった。
なので勇美は悟る。──この
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