第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第83話 明日への挑戦3/4
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る。
そして、当然その射撃は単発ではなかった。依姫はその手から次々と弾丸を撃ち出したのだ。それも一方向ではなくあらゆる鏡の防壁に向けてでだ。
それにより霊気の塊は暴れ回るように飛び交ったのである。例えるなら狭い部屋でスーパーボールをしこたま弾ませるかの如くである。
そして、狂ったように霊弾は勇美目掛けて襲い掛かったのだ。勇美は一気に窮地に追い込まれたかのように見えた。
だが、ブラックカイザーと視覚を共有した勇美の身のこなしは抜かりがなかった。コイン返却口の如くばら蒔かれる霊弾を、勇美は彼と共にのらりくらりと避けたのであった。
そして、勇美はそれだけで終わらせる事はしなかったのである。
「依姫さんこそ、私がただかわすだけだとお思いですか?」
その言葉に続けて、勇美は次の言葉を紡いだのである。
「ブラックカイザー、引き続きお願いね♪」
それに応えるかのように彼はギラリと眼部を眩く輝かせると、手に持った鉄球を再び振り翳して防壁へ向けて放り投げたのである。
鉄球は見事に防壁に当たり、それを砕いた。エネルギーの破片が派手に飛び散る。
こうして再び勇美は敵の護りの要を打ち砕いたのだ。しかも、それを回避を行いつつである。この事は彼女の手腕の向上を物語っているのである。
そして、勇美は霊弾の乱射をかわしつつ防壁を砕かせる行為を繰り返していった。その地道で堅実な戦法は勇美を確実に優位にするのだった。
当然であろう。勇美が攻撃をかわしつつ防壁を破壊する事により、弾の乱反射の回数は確実に減っていったのだから。こうして勇美は依姫をじわじわと追い詰めていった。
「これで最後ですよ!」
言って勇美は鉄球の投擲を行い、またも防壁を破壊したのだ。そして、それが最後の物となったようだ。
こうして依姫に攻めと護りの両方を提供していた無数の壁は全て打ち砕かれてしまったのだ。この好機を逃す勇美ではなかった。
「行きますよ。依姫さん、お覚悟!」
どこか時代掛かった台詞と共に、勇美は相棒に止めの指令を出した。依姫を護る壁はもう存在しないのだから、後は本体を叩くのみである。
依姫に迫りくる雷神の槌。その重量感により彼女を盛大に叩き潰さんとしていた。
「ふっ……」
だが、そう易々と落とされる依姫ではなかった。その程度の存在であったなら、彼女は今この場にはいないだろう。
彼女はその鉄球を最低限の動きでひらりとかわしたのである。それも神の力を借りずとも、いともあっさりと。
だが勇美とて、そう簡単に直接攻撃を許してくれるだろうとは思っていなかった。なので彼女は次の手を打つ事とする。勇美がブラックカイザーに合図を行うと、彼の持つ鉄球にみるみる内に大量の高圧電流がみなぎったのだ。
「名付けて、ミョルニルハンマー 雷光モードです。叩き
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