第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第83話 明日への挑戦3/4
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[前回のあらすじ]
辛うじて、勇美がノーパンになるのは阻止されたのだった。
◇ ◇ ◇
「だって、こんな状況じゃあ、パンツの一つや二つ脱がないと打破出来ませんよ」
「じゃがしい! ノーパンになって戦況を変えられるなら、誰も苦労しないわよ!」
と、そんな感じで二人はやんややんやとやり取りを始めた。それは何時もの二人の様子そのものである。
だが、その様子を引き気味に観ていた者達がいた。他でもない、豊姫と紫である。特に初めて勇美の本性をかいま見た紫は普段飄々とした彼女らしくなく呆気に取られてしまっていた。
「あの……依姫さん、少しいいですか?」
「ええ」
紫に確認を取られる形となる依姫であったが、それを容認して返事をした。
「依姫さんは、いつも勇美さんにどのような教育を施しておいでなのですか?」
その言い分は、正に問題児の親を前にした時のそれであった。だが、それは全くを以てとばっちりというものである。
「いいえ、この事に関しては私は一切指導していませんよ!」
紫から掛けられた理不尽な言い掛かりに、さすがの依姫も所謂『半ギレ』の状態となってしまうのだった。
「紫……依姫の言う事は本当だから信じてあげてね……」
そこに豊姫の助け舟が差し出される事となった。だが、その表情は哀れみを醸し出し、まるで可哀想な者を見るかのような視線であった。完全に『同情』の域である。
「解せぬ……」
それが依姫の心からの叫びであった。何故自分がそのような目で見られなくてはならないのか。
依姫ら人生の先輩らがそのようなやり取りをしている内に、勇美は調子を取り戻していたようだ。
「依姫さん、茶番はもういいですかぁ♪」
その勇美の無神経な物言いに、依姫は頭の中で何かが切れてしまったようであった。
「そもそもの元凶はお前だぁ〜〜〜!!」
ここに依姫らしからぬ苛烈な突っ込みが誕生したのだった。特に『お前』という言葉を依姫から導き出そうとする事はそう簡単には出来ないだろう。
だが、基本的に依姫は落ち着いた性格なのだ。実際はクールと言うよりは静かに燃える性質なのだが、こう表に出して燃え上がる事は稀なのだ。
「まあいいわ、勇美もまだまだやれるようだし、お互いに楽しみましょう」
ここに依姫のペースは戻っていた。決して相手を自分が一方的に楽しむ為に利用したりはしない、彼女のモットーがそこにはあった。
その依姫らしい配慮に勇美の高揚感は高まるのであった。今この人と行っている勝負はとても貴重なものだと、沸々と実感が沸いてくるのである。
その想いを胸に、勇美は口を開く。
「それでは、私は『あれ』を使うしかないね」
言いながら勇美は懐からある物を取り出す。
「ノーパンになれないなら、これで満足するしかねえ!」
「いや、
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