第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第82話 明日への挑戦2/4
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
とうとう始まった勇美と依姫の弾幕ごっこ。勝負の最中金山彦命の力を行使する依姫に対して、勇美もその力に更に別の神の力を加えて新たなる機体を精製していた。
「【防符「プリヴェントビット」】」
その名前を宣言した勇美は、早速指令を送る。
その内容は、その身で以て弾丸を受け止める事であった。
勇美の命を受けたビットは向かって来た弾丸をその身で受け止めたのである。甲高い音と共に弾丸は弾かれる。
「やるわね、でもそれ一つで私の放った弾丸を全て防ぐのは困難よ」
依姫はその勇美の奮闘を見ながら、感心と忠告の言葉を投げ掛けるのだった。
「もちろん、『これ一つ』で終わらせるつもりはありませんよ!」
言うと勇美は目をつぶって新たに念じたのである。
すると、更に先程の物と同じ球状の偵察機が出現したのであった。
その偵察機も勇美の命を受けて彼女を護る任務を果たしに行く。そして、見事に彼も弾丸を弾き返したのである。
そう、この機体は一つだけでなく、何体も出現させる事が出来るようだ。
後は、その数を増やしていけばいいだけである。勇美は念を送り続け、その偵察機をありったけ生成していったのだ。
この特性が勇美の操る機械の強みだったのだ。彼女の内蔵エネルギーを注ぎ込めば、質量保存の法則を無視して次々に機械を生成出来るのである。
これは依姫の放つ弾丸が質量法則に縛られている事を見抜いた勇美の発想の勝利だった。
こうして依姫の仕掛けた誘導弾攻撃は物理法則を無視した勇美の作戦によって全て弾き落とされたのである。
攻略したのを確認した勇美は、神々の力を送還して無数に造り出したビットの解除をした。後に残っているのは、はたき落とされて地面に転がっている金属の弾丸の群れであった。その光景はまるで戦場の敗残兵のようだ。
その哀愁溢れる光景を目の当たりにしながら、依姫は呟く。
「……『金山彦命』よ、最後の後始末をお願いします」
依姫の言葉を受けた金山彦命の力により、地面に散らばった弾丸は一瞬にして砂のように散ったのである。
そして、依姫が柄だけになっていた物を差し向けると先程の金属の粒が集まり再び刀身の姿を取った。
「金山彦命の力までも退けるなんて、凄いわよ勇美」
「そういう私も金山彦命の力を使ったんですけどねー♪」
「……確かに」
そう言い合うと、二人は互いに苦笑いを浮かべ合うのだった。
その二人を見ながら豊姫は呟いた。
「いいわね〜、二人とも楽しんで弾幕ごっこに打ち込んでるわね〜」
「ええ、それが理想の弾幕ごっこというものですわ」
それには紫も同意の念を示す。そして、その事が彼女達がすっかり幻想郷の一員になっているのだと感慨に耽るであった。
そう紫が思っている中で、当事者たる勇美と依姫はその楽しそうな振る舞い
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ