第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第82話 明日への挑戦2/4
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真意を依姫は語る。
「勇美、貴方は確かに私とは違う成長の仕方を選んでいったわ。勿論それは素晴らしい事よ」
「はい……」
「でも、剣を扱う者として、貴方とは一度剣と剣で交えたかったのよ。……分かってもらえると嬉しいわ」
「……」
その依姫の言葉を聞いて勇美は暫し無言で考えた。
確かに依姫は勇美が進みたい道を進ませてくれた。だが、それでも自分と同じ物で渡り合う事も、決して望まなかった訳ではないだろう。
そう思いを馳せた勇美の答えは決まったようだ。
「分かりました。依姫さんの気持ちに、受けて立ちます!」
そこまで言って勇美は腹を括ったようである。そして彼女はそれを行動に移すのだった。
彼女が選んだ神は、今依姫がその力を行使している天照大神であった。その力を勇美は自身の分身の機械へと注ぎ込んでいく。
そして、出来上がった攻撃手段がこれであった。
「【機符「一年戦争の光の剣」】」
その言葉を掲げながら勇美は手に持った剣を構えていた。
だが、剣とは言っても今依姫が顕現させている実体を持つ物とは異なり、勇美が持つそれは刃が光で構成されたエネルギー体なのだった。
そう、これはかつてレミリアとの勝負で繰り出した代物である。
刃が実体ではないが、剣は剣。依姫が愛弟子の勇美が自分に対して剣を構えてくれている今この時を喜ばしく思うのだった。
「勇美……貴方の得物はそれでいいかしら?」
「ええ、二言はありません。私はこれに決めました」
そう言い合うと二人は互いに感慨深そうに見つめ合ったのである。方や自分の我がままに付き合ってくれる愛弟子に対し愛しい気持ちを抱き、方や自分の尊敬する師の得意分野に足を踏み入れる高揚感を覚えていたのだ。
暫しの間、見つめ合っていた二人だが、ここで口を開いたのは依姫であった。
「では、参るわよ!」
互いに相手の攻撃を切り返すのが得意な二人であるが故に、依姫は勇美に分が出来るように敢えて自らが先に攻撃を仕掛けたのだ。ましてや勇美は自分と違って、断じて剣の達人ではないのだ、その意味でも勇美に優位な状況を作ったという事である。
だが、飽くまでもそれは状況のみの話に過ぎなかったのだ。依姫が今仕掛けた剣戟自体は決して手加減等はしていなかった。
「くぅっ!」
依姫の隙のない剣捌きを勇美は間一髪でそのエネルギーの剣で受け止めたのである。
その瞬間に金属音と火花が派手に撒き散らされる事となった。火花はともかく、片方はエネルギーの剣でありながらまるで実物の剣と剣のぶつかり合いのような、そんな不思議な感触がそこには生まれていた。
「今の一撃を防ぐとはやるわね」
「ええ、伊達に妖夢さんや天子さんとはやり合っていませんからね」
勇美はこの緊迫した状況下にありながら、そのように軽口を叩いて見せ
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