第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第82話 明日への挑戦2/4
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を一転させ、真剣な表情となって向かい合っていた。
確かに楽しいと思える事は大事なのである。だが、世の中そればかりでは成り立たないのだ。だから二人はここで気を引き締める事とするのだった。
◇ ◇ ◇
取り敢えず勇美は依姫が月での咲夜戦で使った神降ろしは攻略したのである。
取り敢えず一区切りの所まではいった。だが、まだ三分の一までという言い方の方が適切であろう。
「……勝負はここからという事ですね」
「そういう事ね」
そう二人は静かに語り合った。ここからは新たな幕開けとなるからだ。
そして、依姫は魔理沙戦の始めに使用した神に呼び掛ける。
「『天津甕星』よ、その星の光を我に!」
言いながら依姫は手に持った刀を眼前に翳す。それは先程鉄の誘導弾へと変貌させて使用していた得物である。
すると、その刀はみるみるうちに眩い光に包まれていく。ここに光の剣が作られようとしていた。
だが、今までとは様子が違っていた。光を浴びた刀はその姿を、剣の構造はそのままでありながら微妙に変化させていったのだ。
「?」
その様子を勇美は訝りながら見ていた。今までとは違う、それならば一体どうなるのかと。
そして、気付けば光は止んでいたのである。そこにあったのは……。
「格好いい……」
そう勇美が呟く先にあったのは、形状自体は同じ剣でありながらも、その構造は今までの日本刀ではなく、謂わば西洋剣のものとなっていたのだった。
柄は角張ったものとなり、何より刀身が両刃となっていたのである。そして、その刀身は元の日本刀の時よりも屈強な様相となっていた。
「依姫さん、これは……?」
「名付けて【十字剣「スターフラガラッハ」】よ。驚いたかしら?」
「ええ、依姫さんが西洋剣を使うなんて以外です」
そう勇美は思った事を素直に言った。それに対して依姫は諭すように言う。
「幻想郷に住まう者として、固定の概念に囚われてはなりませんよ。覚えておきなさい」
「はい、でも何で西洋剣を使おうと思ったのですか?」
「それは、天津甕星の力を刀身に込めるには、刀では些か収まり辛いのよ。だから、より扱いやすいように西洋剣の形状に変えたという事ね」
「分かるような、分からないような……ですね」
勇美はう〜んと頭を抱えながら考え込んでしまった。紫と豊姫はその仕草が可愛らしいと思ったので、後で勇美を撫でたい衝動に駆られてしまうのだった。
閑話休題。一つ目の理由を述べた依姫であったが、他にも理由が存在したのだ。それを彼女は言っていく。
「それだけではないわ。勇美、貴方とは一度剣と剣で打ち合ってみたかったのよ」
「ほえ、私と打ち合いですか?」
その言葉を聞いて勇美は呆けてしまった。どういう意図で依姫はそのような事を思ったのだろうかと。
その
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ