最終章:無限の可能性
第270話「遍く世界の盾となれ」
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中に生きる者へと語りかけてきた。
「(この声、神々や英雄達を召喚した時にも聞いた……)」
歴史に刻まれた英傑達を呼び出した声にも似ている。
だが、今回は世界の“意志”のみの声だ。
前回の鼓舞するような威厳ある声とは少し違う。
全てを見守り、包み込む父や母に近い、そんな声だった。
『―――数多の世界より、助力を受けた。あらゆる世界が、今この状況を打破せんとしている。……故に―――』
一拍置き、声は宣言する。
『―――此れより我が世は、遍く全ての世界の盾となる。我が世に生ける者達よ、汝らは敵を屠る矛となれ―――』
その言葉と共に、静止していた光球は収縮し、大爆発を起こして消え去った。
味方に被害はなく、それどころか爆発に巻き込まれた敵はダメージを負っていた。
「っ……!」
世界の声に、敵の神々は狼狽えていた。
世界そのものの“領域”は、神界に生きる神よりも強靭だ。
イリスクラスであれば、さらにその上を行く事もあるが、基本的に世界そのものには勝てないようになっている。
「ッ―――!」
そんな動揺の隙を突いて、一気に椿達は攻勢に出る。
慌てて反撃する神々だが、その攻撃は風船の空気が抜けるかのように消えていく。
今までは世界を保つだけに留まっていた世界そのものの“領域”が直接牙を剥いてきたために、あらゆる攻撃が阻害されているのだ。
「これなら……!」
ただでさえ、平行世界の自身の力を上乗せされ、力が上がっている。
その上で世界そのものから支援を得た事で、椿達はさらに力が高まるのを感じた。
「くっ……負けてなるものかぁっ!!」
だが、敵もタダではやられない。
全戦力を投入して、椿達を倒そうと襲い掛かってきた。
最早なりふり構わないその姿勢に、だからこそ油断せずに、八百万の神々が真正面から迎え撃った。
「はぁっ!!」
「っ!」
「こいつら……!」
「さっきの攻撃をしてきた神だよ!」
リニスやプレシア、蓮など魔導師と陰陽師、式姫もそれに参戦していく。
椿ととこよ、紫陽も同じように向かおうとして……別の神が襲ってきた。
“天使”と共に襲ってきたのは先ほど光球を放った“殲滅の性質”の神だ。
「“天使”共はあたし達が請け負う!」
「椿ちゃん!行けるね?」
「優輝達だって頑張ってるのよ。当然じゃない……!」
後衛であるはずの椿が、一対一でその神と対峙する。
他の“天使”は即座にとこよと紫陽が分断してくれたようだ。
「ぉおおっ!!」
「ッ……!」
刹那、神が理力の剣で間合いを詰めると同時に薙ぎ払ってくる。
椿はそれを神力で受け流しつつ、上を取る。
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