最終章:無限の可能性
第270話「遍く世界の盾となれ」
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わよ……!」
傷を“意志”で治し、椿は神力を迸らせる。
四肢がもげようと、体を失おうと、全てを“意志”で覆らせる。
そんな覚悟の下、体に力を籠め―――
―――同時に、神界の神々に対して重圧がかかった。
「なん、だ……!?」
「……!今よ!」
敵の動きが鈍った。
その隙を逃さずに、交戦している者は敵に渾身の一撃を叩き込んだ。
「……今のは……」
明らかに動きが鈍った事に、椿達は気づいていた。
そして、その原因が何か探ろうとしたが……
「ッ―――!?」
上空に広がる巨大な光球が現れ、それどころではなくなった。
「纏めて消し飛ばすつもり!?」
その光球を放ったのは、“殲滅の性質”を持つ神とその“天使”だ。
発生から発射までの時間が明らかに短く、さらにはその範囲も海鳴市とその周辺の街を完全に消滅させられる程だ。
「(回避……間に合わない……!)」
気づいた時には転移でもなければ躱せない所まで迫っていた。
「―――え?」
しかし、その焦りは消え失せた。
「なっ……!?」
味方からは呆気にとられた声が。
敵からは驚愕の声が漏れる。
だが、そうなるのも無理はないだろう。
「“何か”に、打ち消されてる……?」
なぜなら、椿達を押し潰さんとしていた光球は、何かに止められたかのように、その場で停止していたからだ。
「何が、起きて……?」
『絶好のチャンスだよ!諸君!!』
椿の呟きに答えるように、彼女の目の前にホログラムが出現する。
地球以外のどこかにいるはずの、ジェイルからの通信だ。
隣にはグランツもおり、二人の表情は違えど、どちらも歓喜に満ちていた。
「何が起きたんだい?手短に頼むよ!」
『説明しようではないか!』
『うむ、ジェイル君にやらせると長引く。では端的に言うと……敵の攻撃を止めたのは世界そのものの“意志”だ』
「……なるほど、ね」
ジェイルを遮るように簡潔に言ったグランツ。
それを聞いて、紫陽は納得したように頷いた。
「ようやく、一緒に戦ってくれるって事かい?なぁ!」
空に、虚空に向かって紫陽は言う。
それを聞いていたとこよと椿も、どういう事なのかは理解していた。
元より、世界そのものの“意志”によって敵の“性質”は相殺されている。
今度は、それに加えて戦闘の支援もしてくれているのだ。
『―――我が世に生ける者達よ―――』
声が響く。
男性のようにも、女性のようにも、子供にも、老人のようにも聞こえる声が。
文字通りの“世界の意志”が、世界
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