最終章:無限の可能性
第270話「遍く世界の盾となれ」
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た。
「抜けてきただと……!?」
「“三雷必殺”!!」
“物量の性質”を持つ“天使”が驚愕に目を剥く。
そんな“天使”に向け、リニスは渾身の魔法を間髪入れずに三発叩き込む。
「バースト!!」
さらに、魔力を一気に流し込み、敢えて魔法を暴発させる。
それによって、三発の魔法は膨張し、疑似的な広範囲殲滅魔法と成す。
「ッ……!」
しかし、その攻撃はさほどダメージにならない。
“領域”を砕くには程遠く、ほとんど無意味に終わるだろう。
加え、今のリニス達は孤立している。
このままでは、三人とも圧倒的物量に押し潰されてしまう。
「―――ッ!」
だが、その前に椿達が動いていた。
リニス達に指示を出した直後には、椿やとこよを含めた弓矢を扱う神々や式姫、陰陽師が弓を構えていた。
「狙い澄ました一撃よ。……確実に射貫く!!」
―――“一矢神滅”
それぞれが放った矢が、閃光となって駆け抜ける。
圧倒的な物量を相手に、穴を縫うかのようにその矢はすり抜けていく。
そして、標的のみを射抜く。
「か、ぁ……!?」
「ここだ!」
その矢が中った事を認識した瞬間、紫陽が叫ぶ。
そして、見計らったかのように、プレシアを筆頭に大魔法及び霊術が放たれた。
「くっ……!」
「はぁっ!!」
それを妨害しようと、射抜いた相手以外の敵が立ち塞がる。
しかし、同時にキリエやアミタ、突貫した蓮やアルフなど、近接戦や遊撃に優れた面々が肉薄して、反撃を繰り出す。
「ッ、っ……!」
だが、椿達も無傷ではない。
放たれていた圧倒的物量の弾幕は、そのまま着弾する。
防御を捨てて反撃に出た結果、防御に力を割いていた面々は避ける事さえ出来ずに、悉くが蹂躙されてしまった。
「ぐ、っ、っの……!」
歯を食いしばり、椿は立ち上がる。
体中がボロボロになり、血もかなり出ていた。
それは近くにいたとこよも同じだ。
二人に至っては、防御と反撃を兼任していたのだ。
辛うじて避ける……それすらできずに直撃していた。
「相変わらず、ふざけた力……!」
敵の勢いを崩すために払った代償は大きい。
それだけでなく、結果も大して伴っていなかった。
「……もう、防ぐ余裕なんてないわね」
眼前に広がるのは、交戦を続ける味方と敵の姿。
そして、そこへ未だに降り注ぐ敵の弾幕だった。
椿達の渾身の反撃は、敵を倒すとまではいかなかったのだ。
「死に物狂いで戦い続けてやる
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