102 標的は名古屋
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合唱コンクールの日は近い。かよ子も皆で歌う部分も独唱部分も必死で頑張った。だが、その時、大野が少し声鼻声で声が掠れているような感じだった。
「大野君、大丈夫ですか?」
「ああ、心配すんな・・・」
だが、皆は心配だった。疎遠状態だった杉山でさえ大野が心配になった。練習の終わり、冬田が大野に近寄ってくる。
「大野くうん、声、掠れてるけど大丈夫う?」
「ああ、平気だよ、心配すんな、じゃあな」
大野はそのまま帰って行った。
「山田・・・」
かよ子は杉山に呼ばれた。
「す、杉山君!?」
「お前、今日もいい声してたぜ」
「あ、ありがとう・・・」
「どうしたんだよ?」
「実は私・・・、この前、異世界の敵に会って・・・」
「それで?」
「何か優しく寄って来たから平和の世界の人間かと思って護符の場所を教えちゃったんだ・・・」
「まじかよ!?お前もおっちょこちょいだな」
「うん、隣のお兄ちゃんには凄い怒られちゃったんだ・・・」
「でも、その護符を持ってる人って確か名古屋にいたよな?」
「うん」
「それにその護符はお前の杖と同じように結構強い能力を持ってんだろ?あのお姉さんなら大丈夫だろ。大雨の時も活躍してんだからな」
「うん、そうだよね」
「俺だって、いつでも助けてやる」
「ありがとう、杉山君・・・!」
その時、笹山が近づいてきた。
「山田さん、独唱の所、凄く良かったわよ」
「う、うん・・・、ありがとう・・・」
「おう、笹山と結構上達してたぜ!」
「杉山君、ありがとう。それにしても大野君が心配よね」
「確かに、今日、声掠れてたもんね」
だが、杉山には知らん顔だった。
「平気だろ、あいつらなら。じゃあな」
杉山はさっさと帰ってしまった。
「杉山君、まだ大野君と仲直りできていないのね」
「うん・・・」
かよ子はまだ別の問題があった事を思い出した。杉山が大野と仲直りしなければこの先戦いに苦労すると。その端で藤木は笹山が羨ましそうに見ていた。
(いいなあ、笹山さん、杉山君や山田と楽しく喋って・・・)
「あら?」
笹山が藤木が自分の方に見ているのに気づいた。
「藤木君」
「え!?」
「どうしたの?良かったら私達と一緒に帰らない?」
「いいのかい?ありがとう!」
藤木は喜んだ。そして三人で帰り、藤木には笹山と一緒に帰れて嬉しいと思うのであった。
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