第六十一話 食べてもらってその二十五
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「甘やかされて働かないで図々しくて尊大で無神経で自己中で粗野で」
「その人が本当に嫌いなのがよくわかるわ」
「何も出来ないしおみちのことも碌に知らないのに」
さらに言う阿波野君でした。
「自分を高みに置いていておみちのことをあれこれ言うんですよ」
「その人おみち知ってるの」
「一応。ただ皆半分いなかったことにしてますね」
「そんな人なのね」
「先輩も知らなかったら知る必要ないです」
そうした人だというのです。
「別に」
「そうなの」
「下らない人ですから」
「またそんなこと言うけれど」
「実際何も努力しないでふんぞり返っているだけですよ、図々しくて」
「そんな人だからって言うのね」
「はい、そんな人ですから」
それでというのです。
「先輩も知らなくていいです」
「そうなのね」
「会っても無視していいですから」
「その人今も信心されてるの?」
「さあ、もう行方不明ですから」
「そうなってるの」
「色々な人にお世話になったのに後ろ足で砂かける様な真似して」
本当に随分な言い方です、親戚の人なのにそんなこと言うとか阿波野君のこうした癖性分も気になりました。
「どっか行きましたから」
「そうだったの」
「うちの大叔母さんにも」
「阿波野君が凄く慕ってる」
「はい、その人にもです」
そうしたことをしてというのです。
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