第六十一話 食べてもらってその二十四
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「そっちは」
「そうなりますか」
「だから悪い一面は見ても」
「いつもそのことを考えないことですか」
「そうしたら自分も嫌な思いするでしょ」
「ですね、確かに」
「そんな子でもいい面ある筈だし」
人は誰でもいい面もあるからです。
「そうしたところを見てね」
「参考にすべきですか」
「そうよ、阿波野君は否定する気持ち強いけれど」
それも全否定です。
「嫌いになったらそれで止まらないのよね」
「嫌いな対象は全部そうですね」
「もうとことんまで嫌いになって」
「何もかも否定します」
「そうして反面教師にするのは」
反面教師自体どうかと思うし、です。
「よくないわよ」
「それよりもいい人、ひながたを見てですね」
「お手本にするの」
「その方がいいですか」
「ああはなるまいじゃなくて」
こっちが反面教師だと思います、あんな人になってはいけないだからあの人のすることは絶対にしないと思うのではなく。
「ああなろうの方がね」
「努力するならですか」
「いいでしょ、努力もね」
これもです。
「プラスに考えてする方がいいでしょ」
「悪い人を見るんじゃなくてですね」
「いい人を見てね」
「高みを目指すべきですね」
「それがいいわ」
「そうですか、さっきお話した親戚はもう」
またこの人のお話をしました。
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