第百十七話 政宗の決意その一
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第百十七話 政宗の決意
政宗は米沢に戻ると黒川で言っていたことと違いまずは芦名家との戦と会津を手に入れたことについての論功を行った、その後で片倉は政宗に言った。
「お見事です」
「わしならではの論功であったな」
「はい」
まさにという返事だった。
「大胆でありますが」
「それでいてじゃな」
「的確でした」
「そういったものであったか」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「それがしもです」
「よかったと思うか」
「その様に」
「左様であるか」
「これで、です」
「当家に前からおる者達も新たに入った者達もであるな」
「納得してです」
そのうえでというのだ。
「仕える様になります」
「ここでしくじるとな」
論功でとだ、政宗も言った。
「やはりな」
「よくありませぬ」
「それがわかっておるからな」
「しかとされましたか」
「わしは長く考え迷うのは嫌いじゃ」
果断であれ、政宗の考えだ。
「だからな」
「それで、ですな」
「深く考えるが」
「それでもですな」
「うむ、すぐに決める」
「そうして論功もですな」
「すぐに終わらせたが」
それでもというのだ。
「確かなものを行ったと思っておる」
「そして実際にです」
「確かであったな」
「左様でありました」
「ならよい、これで家もまとまり」
そしてというのだ。
「かつ安心して領地を治められる」
「それが出来ますな」
「そして戦も論功も終えたからな」
だからだとだ、政宗はこうも言った。
「あらためてな」
「奥方様のところに行かれてですか」
「飲むことが出来る」
酒をというのだ。
「楽しみにしていたそれがな」
「それでは」
「今宵は飲む、そしてな」
「明日からまた、ですな」
成実も言ってきた。
「政ですな」
「それにかかる、会津をしかと治めることをな」
「早速はじめますな」
「そうする、あとあちらにも鉄砲鍛冶を向かわせてな」
そうしてというのだ。
「弟子を取らせてじゃ」
「鉄砲の造り方を教え」
「さらに造らせる」
「そうしていきますな」
「当家の領地全てで広く多く造らせてじゃ」
「多くの鉄砲を持ち」
「そうしてさらに戦う、ではそのことを進める為にもな」
政としてそうする為にもというのだ。
「今宵はな」
「奥方様のお顔を見つつ」
「飲んで英気を養う」
「そうされますか」
「存分にな」
「ではです」
小次郎は兄に微笑んで話した。
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