101 蘇我氏の一族
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「皆、よく頑張ったな」
「ああ、でも、結構手強かったぜ」
「文化祭の時に戦った奴より手強かったでやんす」
「文化祭の時・・・?」
かよ子は何の事か気になった。
「ああ、俺達が帰る途中、異世界の敵が来たんだ。石松やエレーヌって奴と一緒に倒したんだがな」
「そうだったんだ・・・」
「それにしてもあいつらは南無阿弥陀仏とか仏教にすがってるような感じだったな」
北勢田は回想する。
「奴等は生前、蘇我氏の一族として君臨していた者達だ」
「ソガシ・・・?」
かよ子は何それと思った。
「そう言えば私、社会の授業で聞いた事あるわ」
まる子の姉が思い出すように言った。三河口が説明する。
「ああ、1500年ほど前、大伴氏、物部氏と並ぶ三大勢力とされていた一族だ。蘇我稲目の頃に勢力を出し、大伴氏が勢力を失うと、物部氏と激しく争ったんだ。仏教の導入や次の天皇を決める、いわば皇位継承でね。稲目に変わって息子の馬子が物部氏を滅ぼし、蘇我氏の天下となるんだ。だが、馬子は自分への反逆を考えていた崇峻天皇を殺害し、推古天皇や聖徳太子が生きていた頃は暫くは慎んでいたが、聖徳太子が死ぬと、また横暴になり、馬子の子・蝦夷は自分が天皇以上に威張った振る舞いをし、蝦夷の子・入鹿は聖徳太子の子を殺害したりして蘇我氏は更に横暴になっていったんだ。だが、入鹿が中臣鎌足、中大兄皇子に殺害され、蝦夷が自害して蘇我氏の勢力は弱まったという訳だ」
「ふうん、蘇我氏って結構勝手な事してたのね。ウチのバカな妹みたいに・・・」
まる子の姉は妹を睨み付ける。
「う・・・。アタシはそんな事・・・」
「お姉ちゃんの宝石を欲しがったのはどこのどいつだったっけ?」
「う・・・」
「帰った後、また欲しがるなよ。でなきゃ、その炎の石も石松に没収されるからな」
「は、はい・・・」
まる子は何も言えなかった。
「ところで・・・」
三河口はかよ子の方を見る。
「かよちゃん、入鹿にまさか護符の場所を喋ったんじゃないだろうな・・・」
「う・・・、ごめん・・・。言っちゃった・・・」
「ごめんで済むか!!これじゃ赤軍が名古屋の従姉を狙いやすくなるだろうが!!」
「う、うう・・・!」
かよ子は涙目だった。
「ミカワ、よせよ!もう、仕方ないじゃねえか。かよちゃんだって騙されたんだから」
「そうよ、あんまり怒っちゃ可哀想よ」
北勢田と奏子はその場を取り繕おうとした。
「まあ、ここまでにするか。俺は帰ったら叔母さんや叔父さん、名古屋の従姉に連絡する。兎に角、皆も大変だったね。暗くなってきたから帰ろう」
「うん」
皆は帰った。
「お兄ちゃん・・・。ごめん、おっちょこちょいして・・・」
「まあ、どちらにしてもさりちゃんが心配だな・・・。まあ、大雨の時に
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