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おっちょこちょいのかよちゃん
101 蘇我氏の一族
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 かよ子は羽根に乗って杖を奪った入鹿を捜す。
「なんであんなおっちょこちょいしちゃったんだろう・・・」
 その時、同じく飛行している者がいた。
「あら、君は確か三河口君ちの隣の子・・・?」
「はい、確か、お姉さんは笹山さんちの近所の・・・」
「そうよ」
「あ、長山君ちの近所のお兄さんにすみ子ちゃんのお兄さん!」
「ああ、ミカワが敵が来たっていうから徳林さんのこの羽衣で飛んできたんだ」
「あの、実はね・・・、私、杖、盗られちゃったんだ・・・!!」
「ええ!?」
 三人は驚いた。
「どんな奴だった!?」
 濃藤が質問する。
「名前はイルカって言って、昔の人みたいな感じだったな・・・」
「兎に角探しに行きましょう」
「うん」
 皆は杖の捜索を始めた。その時、何処からか叩きつけられるような音が聞こえた。
「何!?」
「あっちの方角だ!」
 濃藤が指差した所はまた別の飛行物体がいた。
「あれは・・・、ミカワじゃねえか!?」
「三河口君!?」
(と、隣のお兄ちゃんが・・・!?)
 かよ子は三河口も助けに来てくれたんだと思うと有り難く、また申し訳無いと思った。

 三河口は怒りに燃える。その怒りは入鹿を怖じけ付けさせた。
(こいつ、威圧感を・・・!!)
 そして三河口は入鹿の懐に飛び込む。そして首根っこを掴んで地へ投げ落とした。
「うわああ!!」
 そして三河口も地に降り、入鹿から杖を奪う。
「まるちゃん、石の能力(ちから)で火炎放射しろ!」
「え?う、うん!」
 まる子は炎の石の能力(ちから)を行使した。入鹿はその身体を焼き付くされる。
「あちー!あちちちちち!!!」
 その場にかよ子達も駆け付けた。
「い、イルカが・・・。燃やされてる・・・!!」
 身体を焼かれた入鹿は光となって消えた。まる子とその姉も地に降りた。
「かよちゃん・・・」
「隣のお兄ちゃん・・・」
「ほら、杖だよ・・・」
 三河口は杖をかよ子を投げ返した。かよ子はそれを受け取ろうとして、取ったはものの、尻餅を突いてしまった。
「かよちゃん、大丈夫!?」
「まるちゃん、それにまるちゃんのお姉さんも・・・。ありがとう」
「うん、杖が戻ってきて、よかったね」
 まる子の姉も一安心したと思った。皆も杖を奪還できてよかったと思い、ホッとする。だが、三河口だけはしかめっ面だった。
「かよちゃん・・・」
「え?」
「おっちょこちょいにも程があるぞ!あんなに容易く杖を盗られるなんて!!杖の所有者として情けないと思わないのか!!」
 かよ子は初めて三河口から叱責を喰らった。周りの皆も驚いた。
「う、うん、私も、相手が優しく寄って来たから平和の世界の人間かと思ったんだ。ごめん・・・」
「ごめんどころじゃねえだろ!まだ、俺の胸
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