第8話
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ろで、廊下の向こうから歩いてきた女性が彼に声をかけた。
「アリエル・・・」
ゲオルグはアリエルと呼んだその女性の顔を見ると、顔をしかめて足を止めた。
「何の用だよ?」
「あら、つれないわね。 最愛の恋人でしょ」
「元、を忘れんな」
「やあね、私は別れたつもりなんてないもの」
女性−アリエル・ホーナーという−は、肩にかかるほどの金髪を右手で払うようにしながら言う。
「勝手なことを・・・っ!」
ゲオルグが言おうとした"勝手なことを言うな"という言葉は、近づいてきたアリエルの
口づけによって中断させられた。
「っ・・・やめろ!」
ゲオルグはアリエルの肩を押して自分から引きはがすと、彼女の目をにらみつけた。
一方アリエルのほうはその目線を飄々と受け流す。
「ごちそうさま、ゲオルグ。 じゃあ、またね」
そう言ってアリエルはゲオルグとすれ違い、廊下を歩いて行った。
ゲオルグはその後姿を厳しい表情で見送ると、小さくため息をついて
すぐそばにあるドアを押し開いて部屋の中に入った。
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