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機動6課副部隊長の憂鬱な日々(リメイク版)
第8話
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ろで、廊下の向こうから歩いてきた女性が彼に声をかけた。

「アリエル・・・」

ゲオルグはアリエルと呼んだその女性の顔を見ると、顔をしかめて足を止めた。

「何の用だよ?」

「あら、つれないわね。 最愛の恋人でしょ」

「元、を忘れんな」

「やあね、私は別れたつもりなんてないもの」

女性−アリエル・ホーナーという−は、肩にかかるほどの金髪を右手で払うようにしながら言う。

「勝手なことを・・・っ!」

ゲオルグが言おうとした"勝手なことを言うな"という言葉は、近づいてきたアリエルの
口づけによって中断させられた。

「っ・・・やめろ!」

ゲオルグはアリエルの肩を押して自分から引きはがすと、彼女の目をにらみつけた。
一方アリエルのほうはその目線を飄々と受け流す。

「ごちそうさま、ゲオルグ。 じゃあ、またね」

そう言ってアリエルはゲオルグとすれ違い、廊下を歩いて行った。
ゲオルグはその後姿を厳しい表情で見送ると、小さくため息をついて
すぐそばにあるドアを押し開いて部屋の中に入った。


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