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機動6課副部隊長の憂鬱な日々(リメイク版)
第8話
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「・・・寒すぎんだろ」

襟を立てたコートのポケットに両手を突っ込んで降りしきる雪を眺めながら、
ゲオルグは吐息をもらす。
その吐息が白くたちのぼっていくのを見て、ゲオルグはもう一度ため息を吐いた。

第24管理世界フリーレン。
寒冷な気候の世界で、冬になるとほとんどの地域が雪におおわれる。

シャッハを交えた作戦会議から1週間、
ゲオルグは件のゲリラ掃討のためにこの地を訪れていた。

「ゲオルグさん」

ゲオルグが声のしたほうを振り返ると、寒そうに身を震わせるシンクレアがいた。

「寒くないんですか?」

「寒いよ」

シンクレアの問いかけに、ゲオルグは当然だとでもいうように
うっすらと笑みを浮かべて答える。

「なら、中に入りませんか?」

「ああ、もう少ししたらな」

寒さに耐えかねてか足踏みするシンクレアにそう言うと、
ゲオルグは再びしんしんと降り積もる雪に目を向ける。
日没から1時間が過ぎ、辺りには夜の帳が降りていた。

「大丈夫ですか?」

「何がだ?」

心配そうに問いかけるシンクレアだが、その意味をつかみかねたゲオルグは
首を傾げる。

「今夜の潜入ですよ。 本当に単独で大丈夫ですか?」

「まあ、大丈夫だろ。 潜入といってもただのマンション。 心配ないよ」

ゲオルグは肩をすくめてシンクレアに答える。
だがシンクレアは納得しきれないのか、なおも食い下がる。

「せめて一人くらいは掩護をつけてはいかがですか?
 なんでしたら俺自身が同行しますから」

「お前は明日の準備を任せたはずだろ。そんな暇あるのか?
 いいから俺に任せとけ」

シンクレアの言葉に呆れた様子でゲオルグは首を振る。
それを見ていたシンクレアはようやく頷いた。

「わかりました。 くれぐれもお気をつけて」

「あたりまえだ。 こんなので怪我してたまるかよ」

ゲオルグはややオーバーなアクションでもう一度肩をすくめると、
身をひるがえして宿舎としている管理局関連の建物に向かって歩き出した。
だが数歩歩いたところで足を止めると、後ろについてきていたシンクレアの方を
振り返った。

「心配してくれて、ありがとな」

ゲオルグはニコッと笑ってそう言うと、ゲオルグが突然振り返ったことに驚いていた
シンクレアの肩に拳をあてた。

虚をつかれて目をぱちくりさせているシンクレアをよそに、
ゲオルグは背を向けて建物の中に姿を消した。

その背中を追っていたシンクレアは大きく一度深呼吸すると、
苦笑しながら寒さにぶるっと身を震わせて、足早に建物へと向かった。





翌朝。

宿舎の食堂には作戦に参加する面々が三々五々に集まって、

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