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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第62話:三つ数えると
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まった。

 その隙にクリスに抱き着く3人のメイジ。1人が正面、2人が左右から抱き着き、彼女の動きを完全に封じてしまった。

「な、何だテメェら、離しやがれッ!?」

 藻掻くクリスだが体格差と数の暴力で身動きが取れない。

 そのクリスに向け、ワイズマンは非情な行動に出た。

〈ブラスター、ナーウ〉
「揃いも揃って甘ちゃんだな」
「なっ────!?」

 この瞬間、クリスはワイズマンの意図を理解した。奴は雑魚の琥珀メイジ3人を生贄に、クリスを仕留めるつもりだったのだ。広域殲滅に特化したイチイバルは、数を頼みに攻撃する琥珀メイジ相手には特に脅威となる。そうでなくても遠距離広範囲攻撃を得意とする彼女は厄介な存在なのだ。雑魚3人の犠牲で倒せるなら安いものだと考えたのだろう。

 正に鬼畜の所業だ。

「ふ、ふざけ────」

 クリスがワイズマンへの怒りを言い切る前に、ワイズマンの手から放たれた魔力の奔流が彼女を3人のメイジごと呑み込んだ。

 ワイズマンの砲撃がクリスを捉えたのを見て、奏と響もそちらに意識を向けてしまう。

「「クリス(ちゃん)!?」」

 2人が見守る前で、ワイズマンの砲撃が収まった。禍々しい光が消えた後には、クリスを拘束する為にその身を犠牲にしたメイジらしき3人の男が倒れており、その近くにはギアが解除されたクリスがボロボロの状態で倒れていた。身動ぎしない彼女が生きているか、今の2人の位置からでは判別がつかない。

「ヒュドラ!」
「任せな!」

 その状況でいち早く動いたのはヒュドラだった。彼はクリスの生死確認の為に、奏の相手をメデューサに任せて彼女の方へと向かった。

「ま、待てッ!?」
「行かせん!」

 慌ててヒュドラを止めようとする奏だったが、メデューサが彼女の行く手を遮る。響もフィーネが邪魔をしてクリスの方へ行く事が出来ない。

 2人が足止めを喰らっている間にヒュドラはクリスの傍へと近付いた。ギアが解除され私服姿に戻ったクリスを、剣の先を服に引っ掛け持ち上げる事で生死を確認した。

「う、うぅ……」

 胸元に切っ先を引っ掛けて持ち上げると、痛みと苦しさにクリスが僅かに呻き声を上げた。まだ生きているのだ。満身創痍で意識が戻る気配は無いが、彼女はまだ死んでいない。

「はっ、しぶてぇガキだ。だが、これで…………」

 ヒュドラはクリスを乱暴に地面に降ろすと、トドメを刺そうと剣を振りかぶった。
 奏と響が阻止しようとするが、メデューサとフィーネが邪魔をして出来ない。そうこうしている内に凶刃がクリスに向けて振り下ろされ──────

「ッ?!」
「な、お前────!?」

 寸でのところでクリスとヒュドラの間に1人の白メイジが割り込
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