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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第62話:三つ数えると
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翼の決死の攻撃により、カ・ディンギルは破壊されフィーネの野望は潰えた。
だがその爆炎の中に翼は消え、響は悲痛な悲鳴を上げる。
「翼さん!? 奏さん、翼さんが────!?」
「諦めるな!!」
あの爆発で最悪の事態を想像してしまった響だが、対する奏の口から出たのは否定の言葉だった。
「アタシは諦めない。翼が生きてることも、颯人が生きてることもだ!」
それは自分への言葉でもあった。傍から見ただけで危険に見えると言うだけで、最悪の結果を直接目にした訳ではない。ならば、絶望するにはまだ早い筈だ。
見なければ、確認しなければその結果は存在しないも同然。早い話が科学用語で言うシュレディンガーの猫だ。
「颯人はアタシに言った。生きるのを諦めるなって。だからアタシは諦めない。自分が生きる事だけじゃない、他人が生きる事もだ!」
「奏さん……」
「クリス、お前はどうなんだ? そんな簡単に生きてることを諦めちまうほど、透はお前にとって軽い存在なのか?」
「ッ!? んな訳ねえだろ!? あたしだって、透が生きてることを諦めてたまるか!!」
奏の発破に、響とクリスが心を奮い立たせた。2人の目に覇気が戻ったのを見て、奏は満足そうに笑みを浮かべる。
「いい顔だ。さて、3人が生きてる事を確認したいが…………その為にはこいつらを何とかしないとな」
気付けば、3人の周りをまだ動ける数人のメイジとジェネシスの幹部2人、そして怒りに身を震わせるフィーネが取り囲んでいた。
取り分けフィーネは、カ・ディンギルが破壊された事で怒り心頭なのか、視線だけで相手を射殺せそうなほどに3人を睨んでいる。
「よくも……よくも貴様ら!? 私の悲願を邪魔してくれたな!? やっと…………やっとあの御方に想いを告げられる筈だったのに!?」
「こいつの悲願はどうでもいいが、コケにされた事は話が別だ。何より、お前達はミスター・ワイズマンにとって障害となる。ここで確実に潰させてもらうぞ」
「そう言うこった! 諦めて往生しな!」
「はっ! 誰が観念するかってんだ! 行くぞ、響、クリス! 絶対に勝つぞ!」
「はい!」
「あぁ!」
奏達は互いに頷き合うと、自分達に向かって襲い掛かってくるメイジ達に立ち向かった。
再び始まる戦闘。その様子を、ワイズマンは瓦礫に腰を下ろしたまま眺めていた。
彼の視線の先でメイジ達相手に立ち回る装者達。クリスがガトリングや小型ミサイルでメイジ達の行動を阻害し、動きを止めた奴を響が的確に倒し、奏が若干押されながらもメデューサ・ヒュドラ・フィーネの3人を相手取る。
ワイズマンはクリスを一瞥し、次いで奏を見ながら顎をかいた。
「雪音 クリスも悪くなかったが……天羽 奏か。…………実に興味
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