暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga20-A夢の終わり〜Nightmare〜
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・のが本来の効果なんやけど、プリムスや幻獣の幻影は揺らぐことなくその場に留まったまま。

「これはひょっとして、やられたか・・・?」

『逃げられたんか・・・?』

「おそらくですが・・・」

爆炎が消失して、床や壁に燻ぶる炎が揺らめく中、幻影たちがフッと吹き消されたかのように消滅した。そやけど本物のプリムスの姿はもうどこにもなかった。

「とりあえず、確認だな」

――氷神の波涛(コード・ウズ)――

ルシル君の周囲に12基の大き目の魔力スフィアが展開されて、そこから真っ直ぐ氷結砲撃が発射された。砲撃はスフィアから持続放射されて、着弾した箇所から床、天井と凍らせてく。私たちはきょろきょろ周りを見回すんやけど、『アカン。やっぱ逃げられてしもうてる』ってことが確定しただけやった。

「主はやて。ユニゾンの解除を」

『あ、うん。ルシル君、ええかな?』

「完全に逃げられたようだし、問題ないと思うよ。アイリ」

『ヤー』

「「『『ユニゾン・アウト』』」」

ユニゾンの解除によって私とアイリは自分の足で床に降り立った。凍ってるのを失念してたから私は素っ転びそうになったけど、「おっと」ってルシル君が抱き止めてくれたことで事なきを得た。ルシル君にもたれかかりながら「おおきにな」ってお礼を言う。

「すまん、解除するのを忘れていた」

トンと小さく床を爪先で打つと、床に張ってた氷が粉々に砕け散ってダイアモンドダストのようになった。その美しさにアイリと一緒に「ほわぁ・・・!」目を輝かせる。っとと、見惚れてる場合やなかった。戦闘が終われば特騎隊の本部に連絡を入れへんと。

「こちら対プリムス班。戦闘終了だ。他チームの状況はどうか」

『お疲れさまでした、セインテスト副隊長。各幹部もほぼ同じタイミングで撤退しています』

「保管室前通路のクララ、シャマル、ザフィーラの3人は?」

『プリムスの転送後以降は新たな幹部や構成員が現れず、通路内で待機状態となっています。あ、フライハイト部隊長からの通信です』

サウンドオンリーと表示されてたモニターにシャルちゃん、それになのはちゃんの姿が表示された。2人とも疲労困憊って感じや。よく見ればシャルちゃんの“キルシュブリューテ”やなのはちゃんの“レイジングハート”とブラスタービットが大きく破損してる。

『えー、こちらイリスとなのはです。本部からみんなの状況は今聞いた。幹部および構成員の逮捕には至らなかったけど、保管室から他の場所に移していた魔力保有物は奪われなかった。そこだけは勝利としておこうと思う。そしてもう1つの問題。T.C.によって脱獄することが出来た囚人について』

“T.C.”の陽動作戦のために利用された脱獄犯はみんな、“T.C.”が本
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