君と過ごせる特別な日(爽々波純バースデー2020)
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「ん〜、終わったー!」
「響、お疲れ様」
「ありがと、未来」
その日の授業を終え、響と未来は教室を出る。
この後、響はいつもの場所で翔と待ち合わせだ。
廊下を足取り軽く歩いていると……見知った銀髪の少女が教室を出てくる所だった。
「あっ、クリスちゃーん!」
「ッ!?」
何やら慌てた様子で、手に持っていた何かを隠すクリス。
未来は首を傾げた。
「クリス、どうしたの?」
「なっ、なんでもねぇ!!」
「なになに〜?その手に持ってる紙ぶく──」
「何でもねえよッ!いちいち気にすんなッ!」
クリスは早足でその場を去ってしまう。
あっという間に廊下の角を曲がり、その背中は見えなくなってしまった。
「あっ、待ってよクリスちゃーん!」
「クリス、どうしたんだろう?」
「うーん……お腹空いてて、早くご飯食べに帰りたかったとか?」
「響じゃないんだから……」
響の食いしん坊発言に溜息を吐きつつ、未来はクリスの様子を改めて振り返る。
(あの紙袋の中身を隠したがってたみたいだけど……何が入っていたんだろう?)
ff
「はぁ……あっぶねぇ。響にバレたらヤバかった……」
響と未来から逃げてきたクリスは、ホッとため息を吐く。
「放課後の教室なら目立たないと思ったけど、以外に人の目があるじゃねぇか……。場所を移した方が良さそうだな」
クリスが移動しようとしたその時だった。
「雪音?何をしているのだ?」
「せっ、先輩ッ!?」
そこに現れたのは翼だった。
クリスは慌てて包みを背中に隠した。
「いや、その……」
「何を隠しているのだ?」
「なッ、ななな、なんでもないっす……本当に!何でもないですからッ!!」
「お、おい、雪音!?」
またしても脱兎のごとく逃げ出すクリス。
翼はわけが分からず、困惑した表情を浮かべた。
「いったい、何を慌てていたのだ……?」
ff
「……という事があってだな」
「なるほど。雪音が響や姉さん達を避けている、か」
翼や響、未来の話を聞き、翔は顎に手を当てる。
「何かの入った袋を隠すような動作に、人目に付きたくない理由……。雪音の性格からこれらを総合すると…………なるほど、そういう事か」
「翔くん、何かわかったの?」
一人で納得したような顔をする翔に、響は答えを求める。
「ああ、簡単な推理だ」
「教えて!クリスちゃんは何を隠してるの?」
「教えてもいいけど、皆一つだけ約束してくれ」
そう言って翔は周囲を確認し、3人の耳元に口を寄せた。
「純にだけは、絶対内緒だぞ?」
ff
そして数日後……その日の朝、クリスはいつもより早起きした。
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