第百八十一話 世界を脅かすものその十二
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「営みは出来るけえのう、入籍したら」
「そっちはかいな」
「婿殿、何時でもわらわを襲ってよいぞ」
碧は芥川ににこりとして許しを与えた。
「婿殿に無理矢理されるというのも考えてみれば興奮するけえのう」
「僕は性犯罪者か」
「自分の妻にそうして罪になるのかのう」
「下手すればなりますよ」
フォークナーがこのことを話した。
「被害者が訴えますと」
「そうなるんじゃな、しかしわらわは相手が婿殿以外なら返り討ちじゃ」
抵抗する、ではなかった。
「もう即刻じゃ」
「返り討ちですか」
「人は急所の塊じゃけえな」
「そうですね、身体の中心は特に多いですね」
「そこはもう急所の集まりじゃ」
「脳天なりですね」
「喉、鼻と口の間、眉間、目と目の間に特にじゃ」
碧が言うことはというと。
「金的じゃ」
「そ、そこですか」
「そこを一撃すれば」
碧は今度は凄惨な笑みで話した。
「どんなおのこも終わりじゃ」
「た、確かにそうですが」
「危ないかのう」
「相手は下手したら死にますよ」
「その意気で向かわんと相手が何人かおるとじゃ」
その場合も想定している、この辺り実戦的な古武術を学んでいるだけあった。古武術は戦場から生まれただけあって実戦的なのだ。
「身を守れんけえ」
「だからですか」
「目を突いてじゃ」
「ええですか」
「兎に角人は急所を衝くとじゃ」
「いいんですね」
「婿殿以外のおのこにはそうするけえ」
本気の言葉であった。
「指一本触れさせん、そしてわらわも欲情したら」
「まさかと思いますか」
「婿殿を襲うこともあるかものう」
「遠慮するで」
芥川は碧のにんまりとした好色さが出た笑顔にこう返した。
「そこは」
「わらわが襲うのは駄目なんじゃな」
「襲われる趣味はないからのう」
「なら襲ってくれるんじゃな」
「そっちの趣味もないわ、けど入籍はか」
「婿殿がよしと言えばじゃ」
式は違うが、というのだ。
「仕事はわらわの家の仕事でどうじゃ」
「そっちもかいな」
「そうじゃ、夫婦になってそれでダイアモンド婚も迎えるのじゃ」
碧はこのことは純粋な笑顔で話した。
「そうするのじゃ」
「全く、何かペースが完全にそっちのもんやな」
芥川は広島風のお好み焼きを食べつつ話す碧に述べた、そうしてだった。
一行はさらに話した、そしてまたあちらの世界の話になるのだった。
第百八十一話 完
2020・10・8
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