第百八十一話 世界を脅かすものその十
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「実際に」
「そうやねんな」
「そやから碧ちゃんみたいに言うことは」
このことはというと。
「ほんまにええわ」
「そやねんな」
「ええ娘や、大事にするんや」
ナツァグドルジは芥川の右肩を自分の手でポン、と叩いて笑顔で言った。
「そうするんや」
「自分もそう言うか」
「ああ、どないや」
「今は答えん、しかし」
それでもと言うのだった。
「まあ何かと話をすることはな」
「抵抗ないか」
「別にな」
これといってというのだ。
「拒否反応ないわ」
「ほなここでや」
ナツァグドルジは芥川に笑って話した。
「一気にや」
「押せっていうんやな」
「そうするのがモンゴルや」
「モンゴルはつくづくワイルドやのう」
「草原の国やぞ」
「それで男女関係はか」
「もうどんどん押してもや」
そうしてもというのだ。
「ええんや」
「そういうことか」
「勿論僕もそうしてる、そやからええな」
「いや、僕は自分みたいには出来ん」
芥川は難しい顔で断りの言葉を述べた。
「それはな」
「あかんか」
「そや、どうしてもな」
「そうなんか、残念や」
「というかモンゴルは男女交際そんなんか」
「押していって浮気もな」
それもというのだ。
「多いんや」
「ほんま凄いお国柄やな」
「そや、それで自分にも言うねん」
「アドバイスとしてやな」
「そういうことや」
「気持ちは受け取らてもらうけどな」
それでもとだ、芥川はまた答えた。
「やっぱりな」
「自分には無理か」
「むしろ押しまくるのはな」
碧を見て言った。
「この娘やしな」
「わらわはこうしたことは引かんけえ」
碧は実際にそうだと頷いた、見れば笑ってさえいる。
「こと恋愛は」
「こう言ってるやろ」
「婿殿の子供、何人でも産むけえ」
「そやからそうした話は大学出て就職してからや」
芥川はそれからだと返した。
「ほんまに難儀やな」
「まあそこまで言うなら」
モンゴメリーは考える顔で述べた。
「それもまたええかと」
「そこでそう言うか」
「国木田さんの熱意が伝わったので、ここは交換日記から」
「却下じゃけえ」
碧はモンゴメリーの提案は吐き捨てる様に否定した。
「そんなものか」
「駄目かな」
「もう式を挙げてじゃ」
「初夜なんだ」
「それに入るけえ」
「ううん、僕はゆっくりと時間をかけて」
「焦ることはないですわ」
エカチェリーナもこう言ってきた。
「恋愛も」
「そうだよね」
「はい、ゆっくりと時間をかけて楽しんでも」
そうしてもというのだ。
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