第百八十三話 自害その七
[8]前話 [2]次話
「もうな」
「刻限が来たな」
そうしたというのだ。
「その時やからな」
「それでか」
「うち等はやるべきことをやって」
そうしてというのだ。
「その時が来るのを待とうな」
「そうするか」
「ああ、そしてな」
それでというのだ。
「まずはこの浮島をな」
「一つにするか」
「そうしよな」
こう言ってだった。
美奈代はそれからは主に銭の話をした、それは軍事費のことでかなりかかっていることに久志は思わず言った。
「やっぱり戦は金がかかるな」
「人が動いて武器も兵糧も必要やからな」
「それじゃあ金がかかるな」
「そやからするんやとな」
「すぐに終わらせてな、そしてな」
久志は自分からこう言った。
「戦闘はな」
「出来る限りせんでな」
「やっていくべきだな」
「そこはどうしてもや」
「出来ればね」
双葉も言ってきた。
「軍を動かしてもね」
「それでもだよな」
「出来る限り戦はしないで」
「それでやっていきたいな」
「いつも思うわね」
「ああ、本当にな」
こう双葉に話した。
「トランシルバニアみたいなことはな」
「やりたくないわね」
「ったく、大人しく降ってな」
「まともな領主ならね」
「あんなことにはならなかったな」
「あれは仕方ないわ、けれどね」
「それでもな」
久志はそのトランシルバニアの方を見て双葉に言った。
「出来るだけな」
「戦闘は避けたいわね」
「心から思うぜ」
「全く以てね」
「ブダペストなんて籠城されたら」
今回の最終目標のこの街はというのだ。
「厄介だな」
「城壁も堅固でね、あの街は」
「兵も多くてだよな」
「籠城されるとかなり厄介よ」
「そうだよな」
「だからね」
「あの街もな」
そのブダペストもというのだ。
「あっさり降って欲しいな」
「本当にそうね」
「まだ野戦の方がいいな」
どうせ戦うならというのだ。
「本当にな」
「老女は市民も巻き込むし」
「それに時間もかかることが多い」
「いいことはないわね」
「だからな」
それ故にというのだ。
「本当にな」
「籠城戦が一番嫌ね」
「そうなる前にな」
「終わらせたいわね」
「ああ」
久志は心から言った。
「本当にな」
「そうよね」
「まあトランシルバニアでも俺達の数と装備が伝わってな」
周辺、進路にいる諸侯達にだ。
「それで降る領主が増えてるからな」
「いいわね」
「ああ、いいことだよ」
実際にというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ