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おっちょこちょいのかよちゃん
100 近づいてきた男
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 奏子は異世界の羽衣を使用して空中を廻る。そして濃藤を発見した。
「あ、濃藤君!」
「徳林さん!?」
「三河口君が敵の気配を感じたの!一緒に来てくれる!?」
「ミカワが?分かった、行くよ!」
 奏子は濃藤の肩にも羽衣をかけて飛び立った。
「これ、徳林さんが文化祭の終わりにエレーヌって人から貰った羽衣かい?」
「そうよ、こんな風に空を飛ぶことができるの。あと、北勢田君も見つけなきゃ」
「ああ」
 二人は飛び立った。途中、北勢田も見つけた。
「北勢田君!」
「徳林さん!?濃藤も!どうしたんだ!?」
「三河口君が敵の気配を感じ取ったの!来てくれるかしら?」
「よし、分かった!俺も感じていたよ!」
 三人は奏子の羽衣で空中に飛び立った。

 三河口はこの激しい心臓の鼓動を手掛かりに敵を捜していた。その時、また違った感触を覚えた。
(ん、この感触・・・)
 三河口は周りを見回す。その時、一人の女子の姿が目に入った。
(あの子は、確か、かよちゃんの・・・!!)
「おうい、君!」
「え?」
「君、確かかよちゃんの友達のまる子ちゃんだったっけ?異世界の炎の石を持っている」
「う、うん、そうだけど・・・」
 まる子はこの男子の事は何度も会っているので知らない訳ではなかった。
「俺はかよちゃんの隣の家に住んでる者だ。異世界の敵と思われる奴が近くに来ている!もしかしたらかよちゃんの杖が奪われるかもしれないんだ!急でなんだが協力してくれるかい!?」
「ええ、かよちゃんが!?」
 まる子は心の中で面倒くさいと思った。
「君、友達がどうなっても知らん顔するつもりなのか?」
「う・・・」
(たまちゃんならすぐにでも行くけど・・・)
「君、石松から選ばれて炎の石の所有者になったんだろ。面倒くさいなんて思うならその石は君にとって何だ?ただのお宝か!?」
「う・・・、分かった、行くよお〜」
「よし、かよちゃんを援護に行くぞ!」
 その時、誰かがまる子を呼んだ。
「あら、まる子!?」
「お姉ちゃん!?」
「その人、誰?」
「君、もしやまる子ちゃんのお姉さんかい?」
 三河口は一発で見抜いた。
「そ、そうだけど・・・」
「俺はまる子ちゃんの友達・山田かよ子ちゃんの隣の家に住んでいる三河口健という者だ。俺が通ってる高校の文化祭に君の妹が来てくれた事は感謝しているし、運動会も見させてもらったよ」
「う、うん・・・」
「君ももしかして、石松から異世界の道具を貰ってないか?」
 まる子の姉は見抜かれた。この男、頭が切れると思い、少し恐ろしくなった。
「も、持ってるわ。これよ」
 まる子の姉は石松から貰った七つの宝石を取り出した。
「今、俺の知り合いである山田かよ子ちゃんが危ないんだ!君もその宝石で協力してくれるか
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