第六十一話 食べてもらってその二十
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「出来るだけ公平にね」
「そうしていかないと駄目ですね」
「何といってもね、ただね」
「ただ?」
「阿波野君基本誰にも態度変えないわよね」
ふと思うとです。
「確かに嫌いな相手は徹底的に嫌うけれど」
「依怙贔屓嫌いなんですよ」
「そうなのね」
「そうした先生いますよね」
「学校に?」
「塾でも。女の先生だと女の子贔屓するとか」
どうも具体的なお話でした。
「そうした先生も見て来たんで」
「それでなの」
「はい、漫画とか読んでも嫌ですから」
贔屓はというのです。
「だから嫌いで」
「出来るだけしない様にしてるのね」
「公平に。ただ」
「嫌いな相手はっていうのね」
「もう徹底的に嫌う癖性分ですね」
「それ以外の人には、なのね」
「絶対に公平でないと駄目だと思ってます」
こう私に答えるのでした。
「やっぱり」
「それはいいことにしても」
「誰にでもですか」
「嫌いな相手でも」
お話していてわかりました、阿波野君は実際に嫌いな相手に対しては本当に徹底的に嫌う子なのだと。
「そうしなさいね」
「そこは気をつけないと駄目ですね」
「ええ、本当にね」
こう注意しました。
「何度も注意するわよ」
「何度もですか」
「阿波野君がなおすまでね」
「それはまた」
「人のいんねんは強いものでしょ」
そう教えられています、とはいっても私はまだお話を聞いているばかりでそれを目にしたことはまだないです。
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