第百八十一話 世界を脅かすものその六
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「獅子は鼠を倒すにも全力って言うだろ」
「つまり僕等は鼠か」
「虎だな」
「そっちがライオンでやな」
「ああ、ただ大きさは同じだな」
幸田は那波に不敵な笑みでこう返した。
「ライオンと虎でもな」
「実は虎の方がずっと大きいしな」
「そうなるな」
こう難波に話した。
「そこは」
「ちゃんとわかってるな、流石や」
「虎とライオンのことがわかってるってか」
「そこでこっちが虎で自分等がライオンって言うとな」
そうすれば、というのだ。
「分が悪いのは自分等になる」
「そこはおいらもわかってるぜ」
「そういうことやな」
「おう、そうでい」
まさにという返事であった。
「おいらもな」
「そうやな、流石は自転車部のキャプテンや」
「部をまとめて作戦も立ててるってか」
「お陰で僕も思う存分走れるわ」
「頭使わなくてもだな」
「頭使う時はそっちに専念せんと」
勉強でもとだ、難波は笑って話した。口から見ている白い歯は大きく実に歯並びがいい。そして丈夫そうである。
「あかんさかいな」
「だからおめえさんはいつもどれか一つなんだな」
「自転車は自転車、勉強は勉強でや」
「戦は戦ってことだな」
「そや、それでや」
「おいらの頭のことにはか」
「感謝してるで、あっちの世界では今のところ敵同士でもな」
「あっちの世界でも味方同士になった時は宜しくな」
「こっちこそな」
「まあな、難波君には極東とシベリアの軍事統括してもらってるし」
マリーナがここでまた言ってきた。
「内政、産業とか教育とかインフラとかな」
「そういうの全般やな」
「うちがサーヘニー君とやってくわ」
「そっちはよろしゅう頼むわ」
「こっちこそな、その代わり軍のことは頼むで」
「ああ、誰が来てもやっつけたるで」
「そういうことでな」
「しかしどうもな」
中里は葡萄ジュースを飲みつつ述べた、濃厚な甘さが口の中を支配した。
「僕等こっちの世界やと敵同士の感じがせんな」
「そうじゃのう」
碧は中里のその言葉に頷いた。
「どうにも」
「ああ、かつての僕等と一緒やな」
「うむ、その時は敵同士でもじゃ」
「やがて味方同士になるってわかってたからな」
「普通に仲がよかったけえ」
「そうやったな」
「それで今実際にじゃ」
まさにというのだ。
「こうしてじゃ」
「仲良くしてるな」
「そうじゃけえ。しかしわらわとしては」
ここで碧はこうも言った。
「特に婿殿とな」
「親密になりたいんやな」
「お互いに結婚出来る年齢になったけえ」
芥川が十八歳になったというのだ、尚碧は女の子であるので十六歳になった時点でそれが可能になっている。
「それでじゃ」
「自分またそう言うんやな」
「そうじゃ、それ
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