暁 〜小説投稿サイト〜
SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第一章 〜再会と出会い〜
その一
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たので」
苦笑しつつ答える。
「懐かしい夢を見たからな」
「え……それってもしかして柳君のことですか?」
驚いて楓を見る稟。
「どうして分かったんだ?」
「私も今朝、柳君の夢を見ましたから」
「そうか……」
二人して空を見上げる。
「柳君、元気でしょうか」
「さあな。まあ、便りが無いのはいい便り、っていうからな。元気にしてるんじゃないか?」
「ふふ、そうですね」
「あのー、二人の世界に入ってるところ悪いんだけど……」
「ああ、悪い悪い」
完全に蚊帳の外に置かれた二人に謝る稟。
「その、“柳君”という方は一体?」
そして、稟と楓はシアとネリネに説明する。
「俺と楓と桜が幼馴染なのは知ってるよな?」
「うん、さっちゃんとは前にも会ってるし」
「はい、とてもきれいな方ですよね」
(まあ、そういうネリネだって充分以上にきれいだけどな)
稟の内心の台詞はさておき、説明を続ける。
稟が楓と友達になり、楓から紹介された桜とも友達になった後、三人で遊んでいた時に出会った少年。他人を寄せ付けない雰囲気をもちながらも、どこか寂しげな姿。そんな少年に声を掛けたのは土見稟という少年の性質から言えば至極当然のことだった。
「まあ、始めのうちは警戒してたけどな、少しずつ心を開いていってくれたよ」
まるで懐かない猫を相手にしているみたいだった、とは稟の弁。
次第にその少年は稟達と仲良くなり、三人だった幼馴染は四人になった。
「でも、八年前にシアやネリネと出会う前に親の仕事の都合でこの町を離れたんだ」
今でもはっきりと思い出せる。別れの日に交わした約束を。
ふと楓を見ると、彼女も同じなのか、穏やかな微笑みを浮かべていた。
「そっかぁ、ちょっと羨ましいかも」
「ええ、そうですね」
語り終えた二人にシア・ネリネは言った。
「連絡は取れないの?」
「ああ、桜なら何か知ってるかもしれないけどな」
「桜ちゃんは柳君としばらく手紙のやりとりをしていたようですけど」
「帰ったら電話してみるか」
「そうですね」
――二人は知らない。電話をする必要など一切無い、ということを。なぜなら――
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